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ドイツ発 雨宮の迷走ニュース

ちょっと尖ってるらしいオピニオン系ブログ。海外生活やライフハック、その他ニュースなど。

日本のサラリーマン文化を逆手にとったベンチャーの魅力

日本について思うこと
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再び上杉さんの記事です。Doing Business in Japanという1万700単語の超大作を翻訳されています。
わたしも翻訳のお仕事したことあるけど、めっちゃ疲れるんだよね……。すごい。

元記事→ビジネス・イン・ジャパン

で、長い記事なので自分が気になったサラリーマン文化とベンチャー企業のところについてだけ抜粋させていただきます。

 



日本のサラリーマン文化って最強?

いやーよくよく考えると、日本のサラリーマンの地位って高いですよねぇ。
これを読むと、捨てたものじゃないのかも? と思います。もちろんいいところも悪いところもありますが。

企業とサラリーマンの主従関係は、「会社に身も魂も捧げる代わりに、この世の全てのリスクから自分を守ってもらう」といったものだ。
会社は、社員に次のような約束をする。 会社は君に「生き方」と「生きる意味」を提供する。
文字通りにも比喩的にも、君は会社の服を着て生きてゆく。


終身雇用の時はこういう感じだったんでしょうね。すべてから守るから、すべてを捧げてね、という。
そして日本の社畜っぷりを十分紹介したあと、

そんな生活をしていては、とても結婚など出来るはずがないとお考えだろうか。心配ない。プライベートの計画も会社に立ててもらえばよい。あなたの上司には、あなたに見合う女性を見つける社会的義務があるのだ。


と続きます。そういや仲人って上司がやること多いよね。

最近は結婚だのどうのに首突っ込むとセクハラと呼ばれる生きづらい世界になったので、これはちょっと古いですが。とはいえ上司が部下の面倒を見る、というのは未だに残る慣習ですね。

会社はあなたの公的な顔である。

大家さんと揉め事があったって?会社に任せなさい。
市役所に書類を出さないといけない?総務の誰かに頼めばいい。
確定申告は?サラリーマンは自力で確定申告などしない(訳註:アメリカでは基本みな自力でする)。
保険の手続きは?必要ない。
年金の手続きは?気にしないでよい。
あなたが外国人である場合、移民手続きは?心配ない。法務大臣宛に社長がしたためた手紙を含め、必要な書類は既に手配済みだ。


た、確かにそうだ。

そう考えると、サラリーマンというのは確かに奉仕を過剰に求められるものの、庇護してもらえる立場ですね。
「会社が社員を守る、支える」という視点が欠落していたので、ほえーっと納得しました。

会社はあなたの私的な顔でもある。
オンオフともに人生を会社に捧げるため、大学以来にできた友人はみな同じ会社の人間である。
7:30pmなどと早めに退社できた日には、上司・同僚・お得意様との夕食・飲み会がスケジュールに組み込まれる。
(ちなみに費用は会社持ちか、そうでない場合は年長者が持つ。給料が年功序列制になっているのも理に叶っていると言える。)


そうか、考えれば当たり前ですね。
年功序列なら年上が必然的にお金を持っているので、支払いも多く。確かに理にかなってる。


筆者は、アメリカ出身で、3年間日本でサラリーマンをされていた方です。
ふだん日本人視点で見落としがちなことを、実体験から簡潔に述べられているので、すごく説得力があり、論理的な文です。

上杉さんの翻訳もわかりやすく、おもしろいですー。


日本のベンチャーはリスクが高い

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ベンチャーなんて言葉が出てきたのだって、割と最近ですよね。

サラリーマン(大手、上場会社などに勤める人、男性)が会社からがっつり守ってもらえることを考えると、ベンチャーというのはリスクが高いように思われがちです。

会社に就職する、といわれる日本式の就職において、会社選びはすごく重要です。
なので、安定していないベンチャーで勤めるのってリスクが高いように思えるんですよねぇ。

例: 家探し。

独立したときに暮らしていたアパートは、大手の社員だった頃に引っ越した物件だった。入居する際のクレジットチェックは会社の名刺を見せるだけで済んだ。
(訳註: アメリカでは大家が入居希望人のクレジットヒストリーを「常に」審査する。)

日本では大手の名刺を見せるだけで、良い人格と安定した収入を兼ね備えていることを証明できる。もしぼくが問題を起こせば、会社が解決してくれる。(訳註: 訳者はアメリカのアパート歴6年だが、大家が会社と関わるなんて話は聞いたことがない。地域によっては、勤め先に連絡する行為が違法な場合もある。)

えらいこっちゃ。
家探しだけでこうなるとは……。ザ・さい先が悪いって感じです。

例: 恋愛。
日本で結婚したければ、多くの若い女性と、彼女らの両親ほぼ全員が、サラリーマン的な安定を求めているだろう。日本人であろうと、ベンチャーに創業者または従業員として関わるのなら、恋愛面のハンデを背負うことになる。
ぼくが日本の若い起業家の卵と話すとき、いちばん話題にあがるのは資金調達やユーザー獲得の話ではない。悩み相談で圧倒的に多いのは、「どうやったら彼女や両親に起業することを納得してもらえるか」という質問である。

生々しいっすね、これ。
実際、起業家男性なんかだとパートナーの家族を説得させるのは大変なんでしょうか。
ニートよりはましだと思うけどね(笑)

でもキャリアを積むために家庭を捨てなきゃいけないのはおかしいですね。効率が悪い。


サラリーマン文化を逆手にとれ!

というわけで、日本のベンチャーで働くのはどうもデメリットが多く、起業なんてなったら外聞が悪いようです。困った。

 

どうすればいいのか?まずは社会のはずれ者に声をかけることだ。
日本のベンチャーの友人はみな、雇用市場において未だ正しく評価されていない人を見つけるのが上手い。それしか良い人材を雇う方法がないからだ。
高学歴でキャリア志向の日本人はサラリーマンか公務員になるので、ベンチャーは他を探さざるをえない。


そういうことになりますね。じゃあどこで探すか。

女性: お気づきかと思うが、古い体質の日本企業において、女性の扱いは劣悪である。しかし、ベンチャーにとってこれはチャンスである。大卒の女性は労働市場で正しく評価されていないので、ベンチャーでも雇いやすい。

外国人: 外国人がサラリーマンになるのは厳しい。不可能ではないが厳しい。本業が何であろうと、顔がいかにも外国人だったら、あなたは英語の先生だと決めつけられる。どうやら外国人が日本で日本社会に貢献できる職業は英語の先生しかないらしい。サラリーマン国に入国できない外国人にとって、ベンチャーは良い選択肢である。

社会不適合者: 日本人男性なら誰でもサラリーマン国に入れる訳ではない。学歴が足りない人。大手で疲弊した人。他人に頭を下げるのができない人。日本企業とは水と油だと思われている、海外かぶれの帰国子女。就職氷河期に巻き込まれた人(ぼくの世代がそう)。こういうサラリーマン族にはなれない人たちこそベンチャー向きである。


確かにそうですね。納得です。

日本はレールから外れると生きづらいので、そういう人はむしろベンチャーでこそ個性を発揮できるのかもしれませんね。

あと、新興会社に就職した友達は、「まだ模索状態だから自分の意見が言える、反映してもらえる」というやりがいを感じているようです。
終身雇用が廃ってきたくせに、未だに年功序列の風潮が強い。自由度の高さ、若い世代が活躍できるというのも、サラリーマン文化を逆手に取ったベンチャーの魅力ですね。


お好きな方をどうぞ!

個人的には年功序列はクソだし、終身雇用なんてもう時代錯誤だとは思いますが、考え方によってはサラリーマンシステム自体はそんな悪くなかったのかも? と思いましたね、この記事を読んで。

相変わらず労働環境は最悪なようですが、その分会社ががっつり(良くも悪くも)公私に介入する。お互い寄っかかり合っている感じですね。

でもそれは悪いことだけではないんですね。わたしはご免ですが。
まぁメリットがなきゃサラリーマン神話なんてささやかれませんしね。納得。

社会において、会社という隠れ蓑があるのは心強いです。

そのせいで強いられる犠牲もあるでしょうが、それは持ちつ持たれつだと割り切れるかもしれません。自由が制限される代わりに、社会的責任が減るわけです。


日本の会社システムはまだ過渡期。


古い慣習を守っている会社もあるし、そうじゃない会社もある。能力があれば選べます。今までは会社が大きくて安定していることが良しとされていましたが、それも変わりつつあります。

わたしのように社会から浮いている人間はサラリーマン(OL)という選択肢が消えるわけですが、ベンチャーはそういう人たちの受け皿になってくれています。積極的に挑戦し、若い世代の活躍の場となるでしょう。これからの社会に必要だし、もっと盛んになればデメリットも減るはず。

終身雇用前提の年功序列だったサラリーマン文化でしたが、ベンチャーの台頭やゆとり世代の就職でやや軟化してる、といえます。新しい風が吹いています。



いっつも批判ばっかりしていたサラリーマンシステムですが、メリットも考えると、そんなに悪いことばかりじゃないのかも。で、ベンチャーはもっと社会的に認められるべきです。

結局のところ「お好きな方をどーぞ」って感じで締めたいと思います-。


上杉さんに勧めていただいたこの本、さっそく買いに行きました。
はじめに、からしておもしろい。