読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ドイツ発 雨宮の迷走ニュース

ちょっと尖ってるらしいオピニオン系ブログ。海外生活やライフハック、その他ニュースなど。

低賃金で搾取される外国人は「かわいそう」なのか?

ドイツ生活
このエントリーをはてなブックマークに追加

スポンサーリンク

よく、「外国人は不当に搾取される」といった言葉を聞きます。外国人が、現地の人よりも低賃金で長時間労働を強いられることがままあるからでしょう。

 

その待遇は不公平です。明らかな差別です。ですがそれは、イケナイことなんでしょうか。

 

たしかに、同じ能力で同じ仕事をした外国人と現地人がちがう給料をもらっていたら、社会的に猛バッシングでしょう。「ひどい」と思う人もいるかもしれません。外国人としてドイツに暮らしているわたしからしても、イヤな話だと思います。

 

ですがそれは、まちがったことなんでしょうか。

 

低賃金で搾取される外国人

f:id:amamiya9901:20160713153836j:plain

わたしはドイツでバイトやインターンをしたのですが、幸い外国人という理由で不利益を被ったことはありません。ですが1回、時給5ユーロというふざけた条件を提示されたことはありました。ドイツには最低賃金法がつい最近までなかったので、合法ではありましたが。

 

確率として言えば、外国人は賃金の面で不利になることがあります。ほかにも、ドイツ人がやりたがらない、いわゆる3Kの仕事なんかは、多くの場合外国人がこなしています。

 

でもそれは、「かわいそう」で「改善されるべき」問題なのでしょうか。一部の外国人が低賃金で働かされているのは、たしかに事実です。ですがそれは、「搾取」なんでしょうか。

 

外国人は搾取されているのか?

「外国人は搾取される」と言われますが、彼らは、「搾取されている」と思って働いているのでしょうか。ちょっとちがうと思います。

 

まず、多くの場合は、双方が同意の上で成り立っています。例外もありますが、それは外国人に限ることではありませんね。

 

搾取されているように見える外国人といえば、満足な語学力なく、朝から晩まで汗水たらして働くものの、低賃金……というイメージですよね。でもそれって、搾取なんでしょうか?

 

向こうからしたら、「しんどいけど自分の国よりは稼げる」「働く先があるだけでもうれしい」のかもしれません。もちろん、法律の範囲内で、という条件がつきますが。

 

外国人が低賃金で働く環境が正しいとは言いませんが、働き口が必要な外国人と、低賃金で雇いたい雇用主の利害が一致した結果です。「働かされている」わけではなく、彼らは自らの意思で「働いている」のです。

 

たしかに、現地人の待遇と比べたら不平等です。ですが、イヤならちがう場所で働けばいいだけです。EU内ならちがう国にも行くことができます。それをしないのは、たとえ理想的な労働環境ではなくても、ドイツで働くことにメリットがあるからです。

 

外国人は外国人なりの雇用口が必要

外国人がドイツにやってくるのには、さまざまな理由があります。多くは、「経済的に豊かな暮らしができると思うから」といった移民の家庭です。もちろん、難民や亡命の背景を持つ人たちもいます。

 

その人たちには、雇用口が必要です。だれかに雇ってもらい、お金を稼ぐ必要があります。

 

そんなとき、「外国人もドイツ人と同じくらい大切にしてね」というルールができたらどうでしょう。みんな、ドイツ人しか取らなくなるのは、目に見えています。

 

わたしが先月まで働いていたレストランでは、ドイツの苗字の人は2人だけでした。あと15人くらいはヨソの人です。ドイツで生まれ育った人もいますが。

ドイツ語ができる人はホールに出て、できない人はキッチンや洗い場で働きます。そうやって働く場所を確保していくのです。

 

高級ホテルでインターンをしたとき、初日は清掃スタッフにつきました。清掃スタッフの多くは東欧から出稼ぎに来ている人たちで、ドイツ語でのコミュニケーションに苦労しました。次の日のキッチンでは、洗い場はアフリカ系の人が働いていて、ほかのドイツ人とはちがうコミュニティを築いていました。

 

傍から見れば、「人種差別」「外国人がしんどい仕事を押し付けられている」ように見えるんですが、それはちょっとちがいます。

 

彼らはドイツで、自分たちのコミュニティを作り、所属しています。ドイツ人と特に仲が悪いわけでもなく、互いに棲み分けしているだけなんです。

 

スポンサーリンク

 



低賃金で働く外国人は理解している

わたしは、違法な低賃金や長時間労働を正当化するつもりはありません。でも、お互いが納得した上での労働環境なら、それはそれで成り立つはずです。

 

まず、労働契約に則った賃金と労働時間なら、文句は言えません。イヤならほかを探せばいいんです。ほかに働く場所がないのであれば、現実を受け入れるしかありません。これは外国人に関わらず、みんな同じです。

 

さらに、難民などの背景を持っている人に「ドイツ人と同じレベルで働け」っていうのは無理です。その人たちが悪いわけじゃなくても、です。

そしたら、言葉がわからなくてもある程度こなせる清掃員やキッチン仕事をまわされるのは当然なんです。

 

その状況が正しい、とは言いません。でも、それ以外ないと思います。

実際わたしが一緒に働いたホテルの清掃スタッフ、キッチンのコック、清掃員の多くは、ドイツ語があまり上手ではありませんでした。意思疎通できないレベルの人もいます。

 

そういう人が「同じ賃金を!」なんて言ったら、だれも取らなくなります。賃金が低めなファーストフード店なんかだと、働いている白人はかなり少ないはずです。そうやってお互いのすみわけをして、生活しているわけです。

 

そういう環境に身を置く外国人は、自分のスペックとステータスを理解しています。

そして言っちゃえば、ドイツは労働法厳守ってわけでもありません。ドイツはEU諸国で1番残業してます。

 

外国人の低賃金労働はかわいそう?

ドイツでは、外国人とドイツ人の労働環境は見えない線で区切られているように感じます。もちろん例外はいますが。

 

日本人は評価が高いし、日本の大学も出ているので、ステータスで言えばドイツ人の横に並ぶことはできます。ですがドイツにいる外国人の多くは、そうではありません。

 

ドイツには、ざっくり言ってしまうと「貧しい国から出稼ぎやキャリアアップにやってきた人たち」がたくさんいます。表現が悪くてアレですが、事実です。

 

その人たちからすれば、「学歴がなくて、語学ができなくてもいいよ、低賃金だけどね」という仕事先は、実はありがたいんですよね。

 

仕事先がなければビザが下りないし、家族に仕送りもしなきゃいけないし、ドイツの大学を卒業したら自国では超エリートになれます。

 

その人にはその人なりの事情があって、それを理解しているからこそ低賃金でも納得して働いているわけです。

 

納得していない人は、仕事を帰るなり帰国すればいいんです。帰国できない状況の難民なら、多くはドイツの教育を受けたことはなく、ドイツ語が苦手な人も多いので、低賃金は仕方のないことです。それでも仕事があるだけマシです。

 

それが正しいとかまちがってる、とは一概には言えません。ですが、そういう背景を知らずに、「低賃金で外国人を働かせるのはかわいそう」と言うのはまちがいです。

 

その人たちには自分なりの事情があるんですから、わたしたちの視線で「搾取されてかわいそう」と言うのは、それこそ失礼なんじゃないでしょうか。

 

▼おススメ関連記事

www.amamiyashion.com