キュレーションサイトとは?問題点を誰にでもわかるようにまとめた

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いまネットでは、キュレーションサイト問題が取り沙汰されています。でも、「ぶっちゃけよくわかんない」って人も多いんじゃないかと思います。

 

「クラウドソーシングでライターを集め、SEO対策を指示していた」って言われても、ピンとこないですよね。

 

「キュレーションサイトとは? なにが問題なの? 正直よくわかんない。調べてまで理解するつもりはないけど、ちょっと気になる!」っていう人向けの記事です。

 

キュレーションサイト『ウェルク』問題

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キュレーションサイトが問題になったきっかけは、DeNAのキュレーションサイト、『ウェルク』でした。DeNAは、ベイスターズを持ってる有名な会社です。

 

その『ウェルク』がネット上で大バッシングにあい、サイトは非公開になりました。そしてそれが飛び火して、多くのキュレーションサイトの適法性が見直されることになったのです。

 

キュレーションサイトとは?

そもそも、キュレーションサイトってよくわかんないですよね。わたしも定義を聞かれると、ちょっと悩んじゃいます。基本的には、なにかの情報をまとめたサイトのこと。

 

「六本木のおすすめレストラン10軒」「この夏流行る着こなしトップ10」みたいな、ひとつのテーマに対して情報をまとめた記事があるじゃないですか。

そういった記事をたくさん掲載しているサイトが、まとめサイト=キュレーションサイトです。

 

ウェルクはどんなサイトだった?

問題になった『ウェルク』は、ヘルスケアサイトでした。病気に対する薬の効果や、ダイエット方法、お肌のトラブルなど、医療・美容・健康に関しての記事をまとめたサイトです。

 

見やすいデザインとわかりやすい文章で、ウェルクはたちまち人気サイトに。でも、いたるところから批判の声が……。

 

 

「死にたい」と調べると、ウェルクの記事が一番上に表示されていました。内容は、「死にたい人にとって自己分析は大事だから、キャリア診断テストしてみよう!」

 

この「キャリア診断テスト」は、実は広告です。つまり、記事を読んだだれかがキャリア診断テストをすると、サイト運営者側にお金が入るんですね。

「こんなデリケートな話題なのに、広告つっこんでお金儲けしてるとか、モラル的にどうなのよ!」って話になりました。

 

そしてもうひとつ。

 

ヘルスケアサイトのくせに、唐突なオカルト話。びっくりですね。こんなこともあり、ウェルクの信頼性に疑問を呈する声が大きくなっていきます。

 

後手にまわったDeNAの対応

こういった批判を受け、DeNA側は、「やばい、とりあえずこっちに責任がないってことにしておこう!」と焦ります。

 

DeNAによるとwelqは、会員登録した投稿者による記事と運営側が作成した記事で構成されており、この記事は会員による投稿記事だという。

出典:「死にたい」検索トップの「welq」の記事、DeNAが広告削除 「不適切」指摘受け - ITmedia ニュース

 

「この記事」って言うのは、さっきの「死にたい」って調べると一番上に出てくる記事です。 

 

つまり、「編集部が書いた記事と、こっちのチェックなしで会員が書いた記事があるの。この記事は会員が自由に投稿したやつだから知らなかった!」と言うわけです。

 

「ヘルスケアサイトなのに、『知りません』じゃねぇよ!」となりますよね。

 

さらに、編集部がお金を払ってライターに内容を指示して書かせていたことが暴露されます。「知りません」もなにも、がっつり噛んでんじゃねぇか。

 

というわけで、「運営側は信頼できる医療情報よりアクセスを集めることを優先させていたのでは」と疑われます。

 

しかもライターへの報酬が低かったことから、「こんな単価で信頼性のある記事を書いてもらえるわけないだろ!」という声も上がりました。

 

「人の生死に関わる記事だってあるんだから、ちゃんとしろよ」というもっともな批判を受け、「わかったから! 専門家に監修してもらうからそんなにいじめないで!」と対応するも、騒ぎは収まりませんでした。

 

 

 

有名人が立ち上がり、記事非公開へ

DeNA側の対処療法的な対応に、有名人やお医者さんも立ち上がります。

 

「これは薬機法違反」「俺の記事がコピーされた」「医療的根拠がない」「まちがった医学情報」とネット上に書きまくります。ついには都議会議員まで。

 

 

もう逃れられないと悟ったのか、ウェルクは全記事を非公開へ。

 

DeNAはいくつかのキュレーションサイトを持っていたのですが、ほかのサイトの信頼性や合法性を疑う声があがり、結局、ウェルク以外のキュレーションサイトもすべて非公開となります。

 

こう書くとあっさりしていますが、たくさん記事があって、多くの人に読まれていたサイトです。売り上げもかなりのものでした。DeNAのメディア部門は、実質詰んだも同然です。

 

さてこれで一件落着……と思いきや、余波はどんどん広がります。

 

他キュレーションサイトがビビって記事削除

ネットには、たくさんのキュレーションサイトで溢れています。今回問題になったのは『ウェルク』でしたが、「このサイトもアウトじゃん」という声がどんどん上がってきました。

ウェルクは、氷山の一角だったわけです。

 

サイバーエージェントやヤフーなどIT大手が、他メディアからの無断転用や内容が誤っている恐れがあるとして、運営する情報サイトの記事を相次いで公開中止にしたことが5日、分かった。

出典:サイト記事相次ぎ公開中止 ネットメディア運営ずさん - 共同通信 47NEWS

 

「飛び火する前にとりあえず記事消しとけ!」と、ほかのサイトもどんどんまとめ記事を削除、もしくは非公開にしました。

 

キュレーション記事の問題点

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なんで、医療記事を扱っていないほかのサイトも慌てたんでしょう。理由はかんたんで、「他人の権利を侵害している可能性があるから」です。

 

キュレーションサイトは人の文章を盗んで金儲け

キュレーションサイトの一番の問題は、人の文章や写真を盗んでいるところ。

 

運営サイトは、とにかくたくさんの記事を公開してお金をもうけたい。ライターの実力などは気にせず「記事を安く量産」していきます。結果として、「ほかのサイトの情報を調べてまとめればOK」という風潮になりました。

 

つまり、ウィキペディアやほかの人が書いた記事を参考にして、事実関係などは確認せず、文章を切り貼りして新しい記事を作ろう、ということです。

 

しかし多くのキュレーション記事では、「どのサイトから情報を得たか」がわからないようになっています。それどころか、ほかの記事を丸々使って、記事の隅っこに「オリジナル記事はこれですよ」って小さく書いていたりすることもあります。

 

だから、「本当はこれは俺の記事だぞ」「俺の写真じゃん!」という、著作権を侵害された人たちが続出しました。

 

リライトというグレーゾーン

また、キュレーションサイトがバッシングされる理由として、「リライト」も挙げられます。「書き直し」って意味ですね。

 

引用せずに、ほかの文章をそのままコピーするのは、著作権の侵害です。人の文章を自分の文章のように発表するのは当然違法。

しかしそこで登場するのが、「リライト」という作業です。

 

イメージ的にはこんな感じ。

 

キュレーションサイトの問題は、著作権の意識が低いサイト運営者が、利益を最優先させていることだ。

 ↓ リライト

運営側は著作権をちゃんと理解しておらず、収益を上げることを一番に考えていることから、キュレーションサイトが問題になっています。

 

意味合い的には同じですが、完全なコピーではないので、見つかりづらく、どの文章がもとになっているのかもあいまいになります。

(完全にコピーするとグーグルに見つかって順位を下げられる恐れがあるので、巧妙にリライトする)

 

キュレーションサイトは、「インターネット上の情報をまとめる」ことが前提にあるので、リライト率が高くなります

 

でもこれって著作権的にどうなの?って話です。

 

DeNAがライターを集めていたお仕事仲介サイト、クラウドワークスでは、『リライトするにあたって著作権法違反にならない為の3つの心得とは?』なんて公式記事を出していました。

 

12月5日の時点では、「3つの心得」だったのですが、12月6日に見てみると、「著作権侵害について気をつける」の部分が足され、タイトルも『リライト初心者必見!リライトライターの4つの注意事項とは』に変えられています。

 

それまでは、堂々と「著作権という法律をかいくぐりましょう」と言っていたにもかかわらず、です。確信犯ですねぇ。

 

コピペOKのキュレーションサイト

そういったライティングのお仕事仲介サイトでは、「コピペ&リライトするだけで記事完成♪」といった仕事が溢れていました。

つまり、「ほかのサイトから文章をコピーして、書き直して『オリジナル』記事にする」ということです。

 

ほとんど引用でできた記事は、「引用」ではなく「丸パクリ」です。また、文章をコピーするのなら、改変せずにちゃんと引用しなくてはいけません。書き直して元の文章をうやむやにするのはアウトです。

 

すべてのキュレーションサイトがこうではありませんが、キュレーションサイトというのは、こうやって他人の文章を元にしていることが多いです。だから問題になりました。

 

 

 

キュレーションサイト問題で怒り心頭の人々

こういった問題を踏まえて、キュレーションサイトに違和感を感じ、不快に思う人がいっせいにキュレーションサイトのバッシングをはじめました。

 

かんたんに分けると、お怒りの人たちは、この3パターン。

 

正当な権利主張をするクリエイター

「俺の文章や写真を勝手に使われた。引用元が明記されていない。そもそも引用を許可していない」と、クリエイターたちが正当な権利を主張。

 

キュレーションサイトは明らかに分が悪いので、多くの場合、すぐに記事を削除して対応しているようです。

 

ゴミ記事に不快感を覚えるネットユーザー

おすすめレストランなんかは、実際にはそのレストランに行ったことがないライターがネットで情報を集め、記事にまとめていることが多いです。

ネットの情報をつなぎ合わせただけの記事なのに、運営サイトの力が大きいので、グーグルなどで調べると上の方に表示される。

 

「信頼できるサイトを見たいのに、大手のキュレーションサイトがトップに表示される」と不快感を覚えるネットユーザーが続出。これはわたしも辟易してる。旅行系サイトなんかひどいもんよ。

 

信頼できる情報が生き残る

ネットで情報を発信してない人にとっては、「キュレーションメディアが続々と記事を削除」って言われても、ピンとこないですよね。

でも実は、こんなことが起こっていたのです。

 

情報をまとめること自体が悪いのではありません。著作権をうやむやにするのが悪いのです。

 

「六本木 レストラン」「沖縄 観光」などと調べると、高確率でキュレーションサイトが出てきます。正直、情報の信頼度は低いです。

だってライターは実際に行ったことがなく、適当にネットで調べて書いてるだけだから。最低賃金以下で書いてるライターも珍しくありません。

 

「プロフィールつきの信頼できるライタープロフィールがあるか」
「オリジナルの写真(できれば著者撮影)があるか」
「著者が足を運んだか」

 

などを基準に、その情報が本当に信頼できるものなのかをチェックしてから記事を読みましょう。

 

「気にはなってたけどぶっちゃけよくわかんなかったから助かった!」って思ってもらえるとうれしいです。

 

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