執筆仕事をもらえるオピニオンブログについて本気で考えてみた

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わたしはいままで、ブログを通じてさまざまなお仕事をいただいてきた。そのくせ、「執筆のご依頼」というタイトルのメールをいただくたび、毎回毎回驚いている。

「言いたいこと言ってるだけのブログなのにいいんスか……!?」

 

際立って文章力が高いわけでも目立つことをしているわけでもないわたしが、どうしてブログを通じてお仕事をいただけたのか。どうしていけばこれからもお仕事をいただけるのか。

 

自分なりに分析してみた、完全なる手前味噌記事である。

 

 

ブログを通じて執筆仕事をいただくということ

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ありがたいことに、ブログ経由で執筆仕事をいただくことが多い雨宮です。

 

そもそもライターというのは文章を書いてお金をいただくわけだから、ブログ書くなら寄稿記事を書いたほうが儲かる。ブログで多くの収益を上げられているならライターを名乗らずブロガーやアフィリエイターになるだろうから、当然っちゃ当然である。

そして、クライアントの心証を考えたら、ライターがオピニオンブログを書くメリットはあんまりない。地雷率上がるからね……。

 

そう考えると、「オピニオンブログ経由で仕事をもらえるライター」って、もしかしたら貴重?というか、珍しいのかもしれない。

じゃあ、執筆仕事をもらえるオピニオンブログって、どんなブログなんだろう。

 

これからも多くの方にブログ経由でお仕事をいただきたいから、わたしなりにいままでのことをちょっと振り返ってみた。

 

 理論的な文章と記事であることが大前提

手前味噌すぎてアレだけど、執筆のご依頼の際にいただく褒め言葉は、だいたいこんな感じだ。

 

○○メディアの寄稿記事がおもしろかった
ブログも理論的
記事を執筆してくれないか

 

うれしいですよね! 全部保存してるよ! 褒められるの大好きだから!!

 

さてさて、「論理的な文章」とはなんだろう。

 

多くの人は理論的=データに基づいていると思ってるみたいだけど、そうじゃない。データなんて探せば出てくるし、すべての意見にデータをくっつける必要はない。

結果ありきでデータを付随させてそれっぽくさせるのは、テクニックっちゃテクニックだけど、わたしは下品で好きじゃない。

 

論理的というのは、論が理にかなっているということだ。それはつまり、「流れる水」のような文章だと思う。

 

上流から下流にかけて、水が流れていく。水質(文章の内容)はともかく、水はとにかく上から下に流れていく。帰納法だろうが演繹法だろうが、論の展開に違和感がない

 

たとえば、「わたしは犬派だから犬を飼う」というのが論理的で、「わたしは犬派だから猫を飼う」のが非論理的だ。

「なるほどねー」となるのが論理的で、「なに言ってんだコイツ」ってのが非論理的だと思ってほしい。

 

そしてこれは、1文1文だけでなく、記事全体においても大事なことだ。起承転結を思い浮かべるとわかりやすいけど、それぞれの段落が繋がっていないと非論理的記事になる。

 

ちなみにこの記事は、こんな感じの構成(順番)で論理展開してる。

・ライター仕事をもらえるオピニオンブログとはなにか

・大前提として論理的である必要がある

・執筆を依頼したくなるおもしろい記事の定義

・ブロガーの文章では執筆依頼はこないからライターの文章が必要

・人となりを伝える文章が書けるのはライターにはないブロガーの強み

・まとめ

 

寄稿記事ならともかく、ブログの構成くらいなら、たぶんどのライターも無意識でやってのけると思う。だぶん。

 

でもこんな構成になると、途端に意味のわからん非論理的記事になる

・ライター仕事をもらえるオピニオンブログとはなにか

・オピニオンブログはアクセス数が少ない(本題と無関係)

・オピニオンブログを書くのは楽しい(だからなんだよ)

・おもしろい記事を書けば執筆依頼はくる(殴れば人は死ぬ的な?)

・ライターはブログを書くといい(記事テーマなんだっけ??)

・まとめ

 

意味わかんないよね。

 

論理的文章とは、客観的データに基づく文章ではなく、「なるほどなー」となる文章のこと。そして論理的記事とは、読んだ後に「なに言ってんだコイツ」「で、なにが言いたいんだ」とならない記事である。

 

 

 

執筆仕事を依頼したくなる「おもしろい記事」を書く人間

執筆仕事を依頼するなら、おもしろい記事を書いてくれる人がいい。当然だ。じゃあ、おもしろい記事ってなんだろう。まぁそれがわかれば苦労しないんだけど。

 

あえて定義するとしたら、「この前もこの人の記事読んだなぁ」と思い出せるような記事が、「おもしろい記事」だと思う。

 

これまた手前味噌だが、「以前おもしろいなーと思った記事があって、さっきたまたま読んだ記事もあなたのだったから依頼を決めた」と言っていただけることがある。

 

日々多くの記事を読んでいる編集者なのだから、1回記事を読んだだけでは執筆依頼はしないだろう。でも「おもしろい」と思った記事は、頭に残る。

そして数ヵ月後に「この記事いいなー」と思いながら読んでいると、最後の名前やプロフィール写真を見て、「前にあの記事を書いてた人だ!」と頭の中でリンクする。

 

これがいわゆるインパクトを与える記事であり、おもしろい記事なんだと思う。

 

ちなみに「文章が雨宮さんっぽいと思って最後まで読んだらやっぱり雨宮さんだった」という言葉をいただいたとき、めっちゃうれしかった。こっそり小躍りした。

 

一方で、数ヵ月後、同じ記事を読んでても気づかないことがある。「なんか読んだことがあるような、ないような……?」くらいしか印象に残っていないのだ。それはおもしろくない記事である。

 

でも、印象づけるために極論を展開したり毒を吐きまくったり炎上させたりというのは、やっぱりよろしくない。

「この人の記事だったんだ!」と「またコイツか……」はまったくちがう。

 

そもそも、人の記憶に残る記事を書くために、派手なことをする必要はない。素直に自分の意見を書けば素直に受け取ってもらいやすいし、共感されやすい。

とはいえ「春はあたたかい」と書くだけじゃ注目もクソもないので、そこはまぁ、試行錯誤ってことで(ここらへんを語るにはまだわたしはスキル不足なので……)。

 

ライターの文章とブロガーの文章はなにがちがうのか

個人的な判断だけど、わたしは「ライターの文章」と「ブロガーの文章」があると思ってる。そして執筆の依頼がくるのは、ライターの文章のほうだ。

 

ライターの文章は、こんな感じ。

 

「資本主義社会における成功というのは、多くのカネを稼ぐことである。そのためには仕事を効率化して生産性をあげ、なおかつ単価を上げる必要がある。仕事を効率化するならば、ムダを省くべきだ。単価を上げたいときは、ニーズを理解して販売戦略を練ることが大事である」

 

ブロガーっぽい文章にすると、こうなる(ちょっと内容は変わってる)。

 

「たくさん稼いで成功したいなら、効率化と単価アップが大事だ。生産性を上げないやつはいつまでも非効率的な作業ばかりして、成長しない。値段交渉するだけでライバルより一歩先に進めるのに、単価に無頓着なヤツが多すぎる。マーケティングやセルフブランディングができない人は、これからどんどん埋もれていく」

 

自分で書いてて思ったけど、すっげぇブロガーっぽい文章だな……。なんというか、「根拠は?」「どこから目線?」「煽ってんの?」とツッコミたくなる。

 

執筆依頼するならどっちの文章書いてる人がいいか。

まぁだいたいの人は、前者を選ぶだろう。前者は「なるほどねー」となるけど、後者は「粋がってんなぁコイツ」感が強いからだ。

 

ライターとして仕事をもらいたのなら、ブロガーっぽい文章は避けたほうがいい。隙が多いというか、煽ってるというか……。

わたしも昔はそんな感じだったけど、ライター仕事を受けるようになってから変わったんだよね。ブロガーっぽい文章は誤解されやすいから(だからアクセスされるという側面もあるけど)。

 

まぁブロガーの文章といっても千差万別だけどね。

 

ライターが苦手なブロガーの強み

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ブロガーっぽい文章をこき下ろしたけど、ブロガーにはブロガーの得意領域がある。それが、「人となりが伝わる文章を書く」ことだ。

 

もちろんライターといってもこれまた千差万別なわけだけど、多くのライターは「しっかりした記事」を書くから、文章から書き手の空気が伝わりづらい。モノの紹介とか、なにかの解説記事とか、きっちりしすぎてるのだ。

 

ウェブの記事なんかを読んでても、「この人はどんな人なんだろう?」と想像できない記事が多い。ライターは主観より客観を重視するからね。

 

でもオピニオンブログはちがう。ブログを読めば、「この人はこんな人なのかな?」と想像しやすい。それが想像できないなら、オピニオンブログじゃない。

 

きっちり文章を書くライターもいいけど、メディアやテーマによっては、「人間くさい文章を書くライター」が必要なときがある。そんなときに便利なのが、たぶん、オピニオンブロガーだ。

 

東大卒、ハーバードで博士課程を修了して政府機関で働いているエリートに記事を頼もうとする人は、そもそもそこらへんのブロガーのブログなんてチェックしていない。

 

そこらへんのオピニオンブロガーに期待することは、小難しい成功理論なんかじゃなくて、リアルで生々しくてワガママで欲にまみれた自己顕示欲ビンビンな記事だと思う。だからこそ、「素直さ」が大事なんだよね。

 

かっこつけた一般人なんてクッソダサいし、そんなやつのオピニオンはおもしろくない。

 

頼みやすい環境を作ること

最後にもう一度、「自分がブロガーに執筆を頼むなら」と考えてみる。そのときに一番頼みやすい人は、「文章で金を稼ぐ気がある」「実績がわかる」「人となりがわかる」「問い合わせできる」の4つを満たした人だ。

 

文章で金を稼ぐ気がない人に、カネを払って記事を書いてもらおうとは思わない。だから、「自分はライターである」とわかるように明記しとくのは大事だと思う。

実績もわかるようにしておいた方が安心だよね。ライターブログなのに執筆実績を載せていない人は、「自称ライター」にしか見えないから。

 

ネット上の人間に仕事を依頼するのは、結構勇気がいる。とんでもねぇクズかもしれないからね。だからこそ、「まともに仕事してくれそう」な人間だと思ってもらわないといけない。

実名+顔出しが王道だけど、そうじゃなくてもプロフィールを充実させたり、定期的にSNSを更新するだけでも、「実在する感」が強まる。

 

で、問い合わせ欄。メールアドレスだけ書いてあってもいいけど、問い合わせ欄あるといいよね、楽で。わたしはBASEの問い合わせ欄を無理やりリンクにして使ってるよ。

 

こういうのを地味にちゃんと網羅してるのも大事。

 

執筆仕事をもらえるオピニオンブログにしたい

長々と書いてきたけど、わたしは仕事依頼をいただくためだけにブログを書いているわけではないし、ブログから注目された人気ライターってわけでもない。

でもどうせオピニオンブログ書くならついでにお仕事をいただければいいなーとは思ってる。お金大事。

 

自分で営業するのも大事だけど、相手から来てくださるならそれに越したことはない。ぶっちゃけね。

 

文章を書くライターが一番仕事をもらいやすいのは、自分が書いた文章を読んでいただけたとき。そういう意味で、「常時開いている自分の文章の展覧会」であるブログは、最高の釣り針なわけだ。言葉悪いけど。

 

だからわたしは、オピニオンメインのブログだけど論理的であることと、多くの人の心に残るような記事を書いていきたいし、ライターでもありブロガーでもある強みを活かしていきたい。

 

そしてもっと多くの人に執筆依頼をしていただけるオピニオンブロガーになりたい。

 

こちらからは以上です。

 

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