アメラジアンという言葉を知っていますか? 私は知りませんでした。アメリカ人と日本人のハーフのことを言うそうです。
今日はそのアメラジアンの教育事情についての記事、『アメラジアンの子どもたち 沖縄で2つのルーツと向き合う』を紹介します。
わたしがいま同棲中のドイツ人の彼と子供をもうけたら、ハーフになります。
そうすると、教育って悩むんですよね。日本かドイツか。この選択が、子供の人生を大きく左右するわけですから、かんたんには決められません。
アメラジアンスクールとは
アメラジアンの子どもたち 沖縄で2つのルーツと向き合う - Yahoo!ニュース
日本には米軍基地がありますから、アメリカ人と日本人が結婚するっていうのもありますよね。その場合、教育は悩みの種になります。
“アメリカ人とアジア人の間に生まれた子ども”を指す言葉「アメラジアン」。
沖縄では年間約300人が生まれており、その多くは在日アメリカ軍に所属している男性と日本人女性の間に生まれた子どもたちといわれている。
その沖縄に、“アメラジアンのための教育”を行っているフリースクールがある。「アメラジアンスクール・イン・オキナワ」だ。
宜野湾市は、街の中央に普天間基地を抱えています。アメリカ軍に所属している男性と日本人女性の間に生まれる「アメラジアン」 と呼ばれる子どもたち。
アメラジアンは、2つの国との間で板ばさみになっています。
アメラジアンはアメリカ人か日本人か
日本で生まれたアメラジアンである子どもたちは、米軍基地内のアメリカンスクールに通うか、日本の公立学校に通うことになります。
・基地内のアメリカンスクール
基地内のアメリカンスクールに通うとなると、もし離婚して母親(日本人側)に引き取られれば、アメリカンスクール→日本の学校への転入を余儀なくされます。インターナショナルスクールは、学費が高すぎて、かんたんに入学はできません。
日本の学校へ転入すれば、日本人ばかりのなかに、自分ひとりとなります。見た目も言葉も文化も違う。子どもが苦労するのは目に見えています。
・日本の公立学校に通う
では日本の公立学校に通った場合はどうかというと、英語の習得は両親次第となります。
子どもが日本に溶け込み英語を勉強せず、父親(アメリカ人)が子どもとコミュニケーションがとれなくなる、ということも起こっているようです。悲しいですね。
日本の教育を受けて、日本人のメンタリティを持って、日本で生きていくのか。
アメリカの教育を受けて、アメリカ人のメンタリティを持って、アメリカ、もしくはアメリカ人として日本で生きていくのか。
アメラジアンにとって家庭の教育方針は、人生に大きな影響を及ぼす大切な選択です。
ドイツでも、ドイツ語が話せない子どもたち の教育が問題になっています。教育において、言葉の壁はとてつもなく大きいのです。
アメラジアンスクールは子どもの選択肢を増やす
でも「どっちの学校がいいのか」という選択は、親でもなかなかできるものじゃありませんよね。小学校に上がる時点で、子どもがどうしたいかなんてなかなかわかりませんし。
親のエゴでアメリカンスクールに入れたとしても、日本語ができなければ日本では生きづらいでしょう。日本の公立学校へ入れたとしたら、アメリカ人としての選択肢を失うことになるかもしれません。
そんな子どもたちの受け皿になるのが、アメラジアンスクールです。
日本とアメリカという2つのルーツを持つ子どもたち。
校舎には休み時間や授業中を問わず、日本語と英語の両方が飛び交う。
トラヴィス君(14)。
アメリカ軍に勤務する父と沖縄女性を母に持ち、小学校三年からスクールに通っている。
沖縄で生まれて父の転勤でハワイに移住したが、その後、両親が離婚。小学校3年生の時に母と沖縄に戻った。日本語での教育を受けていない不安もあり、公立校ではなくアメラジアンスクールで学ぶことにした。
生徒は常に日本語と英語、両方に接する時間を過ごす。
トラヴィス君もスクールで日常的に英語を使う環境に身を置き、母とは日本語で会話し、現在アメリカにいる父とは年に数回電話で会話している。
リオさん(14)は、アメリカ・ネバダ州でアメラジアンとして生まれ、小学校入学前に家族で沖縄へ移った。
公立小学校に入学したが、生活に慣れるに従い徐々に英語が話せなくなってきた。日本語を話せない父とコミュニケーションが取れなくなることを心配し、アメラジアンスクールに通学することにした。
家では父と英語で会話しながら、外で使うのは日本語。スクールでは日本語と英語の両方を操りながらの勉学。
そんな日常を「授業は、英語になって日本語になって、また英語、英語、日本語、英語……頭のスイッチを切り替えるのが大変」と笑顔で話す。
日本、アメリカ。
両方のルーツを持っている子どもたちにとって、どちらかを選択するのは難しいでしょう。
そんな子どもたちに、「どちらか」ではなく「どちらも」という選択肢を与えて、子どもたちの受け皿になっているのが、アメラジアンスクールです。
アメラジアンスクールの立ち位置は?
一見素晴らしいシステムに思えますが、苦労もあります。
それは、アメラジアンスクールは、日本の法律では学校として認められていないということ。民間のフリー・スクールと同じ立ち位置となります。
カリキュラムは英語と日本語の授業で構成されていて、中学2、3年になると、日本の高校への進学を見越し、受験対策もしています。
ですが、公立でも私立でもなく、民間の学校というステータスです。
アメラジアンスクール・イン・オキナワの理事、琉球大学准教授の野入直美氏は、この“ダブルの教育”について「2つの言葉を学ぶだけではなく、2つの言葉“で”学ぶことが重要」と言う。
「日本語と英語の両方を学んだということではなく、英語でも日本語でも教科書が読め、意見が言える。アメリカ・日本どちらでも生活ができ、必要とされる。そして2つの文化を身につけ、アメラジアンであることに誇りを持ち、アイデンティティを育て、生きる力を育むことを目標としている」
理想的で、素敵です。
が、相対的にとても少ないアメラジアンたちの居場所を、社会はなかなか認めてくれなかったようです。
1998年、アメラジアンをもつ母親5人が、自宅から備品を持ち込み立ち上げたこの学校。最初は学籍がとれない無認可の学校でした。
ですが多くの支援者を巻き込んで、学籍運動が起こったのです。教育委員会や県を説得し、中学校の卒業認定が受けられるようになりました。
拓けたアメラジアンの道
このような受け皿があるからこそ、アメラジアンの子どもたちは日本とアメリカの両方の選択肢を得ることができました。
「設立当時、アメラジアンの子どもたちは、英語でのコミュニケーションは取れるが日本語は不自由な子も多く、沖縄で生活するには将来があまりにも不透明な子が多かった。
しかし現在では、スクール卒業後、地元の高校への進学やアメリカに渡るなど、様々な進路がある。
公立小・中学校の学籍回復とスクールでのダブルの教育を通して、進路の選択肢を手に入れられた。
それはアメラジアンの子どもたちが、自分の人生を自分で選択できるようになったことなのだといえる」
設立から17年、挑戦し続けるアメラジアンスクール。
「昨今、国内ではグローバル化が強く求められるが、それは同時に国内の多様化にも繋がる。
現状では、英語教育やマルチリンガル教育などの国際競争に勝つための人材育成ばかりが注目されるが、同時にホスト社会(マイノリティを受け入れる多数派社会)である日本の課題として、多文化教育にも同様の目をむける必要がある」。
沖縄という土地柄上、こういう学校があるかないかでは大きくちがいます。ですがこのような学校を必要をしているのは、沖縄だけではないはずです。
わたしの出身地にも米軍基地があるので、同じ問題を抱えているご家族にはこういう学校が必要なんでしょう。
日本の教育は日本人のため
絶対値として、日本には外国人が少ないです。「基本的に」みんな日本国籍があって、日本語が母国語だという前提で色んなシステムがまわっています。
そりゃまぁ島国だし、なんなら鎖国してたし、外国人がビザをとるの大変だし、理解はできます。
でも「これから」を考えると、 記事にあるように、多文化教育に目を向けることは必要ですよね。いきなり授業を全部英語!とかって話じゃなくて、 多様なあり方を受け入れられる社会になってほしい。
いろんな背景を持っているひとがいて、そういう人たちがいることを認めることって大切です。
わたしは今外国人としてドイツに住んでいるけど、ドイツは良くも悪くも外国人ばっかりなので、あんまり困ることはないですね。
でももしもいつか、ドイツ人のパートナーと子どもができたら。
何年かは日本に戻りたいと思ってるんですが、子どもと一緒なら、難しいでしょうねぇ。
特にドイツだと中学校、高校っていうくくりがないので、日本の教育とは質が合わないんじゃないかと。
そうなると、わたし一人で日本か……。さみしい。まだ子どもいないってか結婚もしてないけどね!
少数派に合わせろっていうのは無理だけど、そういう人がいるってことを踏まえて、受け皿があるのとないのでは違います。こういうスクールの存在はもっと認知されるべきですね。
▼おススメ関連記事