日本食のおもてなしは一方的? ベジタリアンには過酷な日本食

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東洋オンラインでこんな記事を見つけました。
日本の「食のおもてなし」、実は"超一方的"だ 。あれ、日本のおもてなしって世界トップレベルなんじゃ……?

 

日本食は「野菜」ばっかりじゃありません

この記事の筆者の方は、ベジタリアンです。日本生まれ日本育ちのばっちり日本人ですが、もともと牛肉が好きじゃなかった、さらに食肉の製造過程を見てショックを受けたそうです。

わたしの友達にも、「食育の授業を見て肉が食べられなくなった」という子がいました。
ベジタリアンとはいっても、「肉以外はOK」や「魚介もダメ、生物完全NG」の人など、さまざまです。


でも日本って、ベジタリアン料理ないですよねー。膳なんかだと、絶対肉か魚出ますしね。大学でもドイツはベジタリアンメニューがあるんですが、日本はない。

基本的に単一民族で同じ文化の中で生きているから、みんな食べれるっていう認識だし、「好き嫌いはダメ」って考え方もあるし、ベジタリアンには生きづらい国ですね。

驚くほどベジタリアン向けのレストランや料理が少ないのです。「え?豆腐のお味噌汁や、野菜ばっかりのお鍋なら大丈夫なんじゃないの?」と思うかも知れません。

しかし、厳格なベジタリアンにとって、肉や魚の出しはタブー。
サラダのドレッシングですら「動物性脂肪」が入っていることが少なくありません。

「取り除いて調理して欲しい」と頼んでも、ほとんどのレストランがそんな対応はしてくれない。そのため、レストランでそういうお願いをするのも躊躇するようになってしまいました。


まぁいきなりベジタリアン仕様にしてくださいって言われてもね……。精進料理くらいなものじゃないでしょうか。

私の米国人のパートナーや友人はベジタリアンが多いのですが、彼らとともに日本を訪れたときも、「美食の国日本で世界一美味しいベジタリアン料理が食べられる!」と全員が胸を膨らませていました。


でもさすがにこれは「調べとけよ」って思いましたね。
日本は確かに野菜をたくさん食べるけど、メインじゃありませんよー。日本食はぜんぜんベジタリアン料理じゃありませんよー。


日本食のおもてなしは一方的?

ベジタリアンの筆者の方からすれば、日本食のおもてなしは一方的なようです。

需要がない、と言ってしまえばそれまでですが、日本は今「観光立国」に向かって動き始めています。
そうであれば、あらゆる面で日本に来てくれる観光客やビジネス客向けのサービスを充実させる必要があります。

欧米人と話していてよく話題になるのが、日本での食の「おもてなし」は一方通行過ぎる、ということです。

欧米では東南アジアのレストランなどに行くと、スタッフから「出汁(だし)は大丈夫なのか」「アレルギーはあるのか」など食の嗜好を聞かれることがよくあります。
それにあわせて、メニューをフレキシブルに変えてくれるわけです。

それに対して、日本では提供されるメニューから料理を選ぶだけ。確かに美しくて、美味しいかも知れませんが、こちらの嗜好が考慮されることはありません。

私たち、ベジタリアンが願うことはただひとつ。どんな料理でも日本人の手にかかれば、世界一美味しい料理になることは間違いないのですから、ぜひ私たちにも対応して欲しい。


いや、気持ちはわかりますよ。

わたしも高校までは「じゃがいも以外の野菜ぜんぶ嫌い」「辛いもの、酸っぱいもの、香辛料食べれない」「刺身、魚介全部ダメ」ってレベルの好き嫌いでしたから。

でもさー
「郷に入らば郷に従え」だと思うんですよ。


もちろん、ベジタリアンは基本、好き嫌いじゃありません。主義です。
でも「自分の主義に合わせたお料理を提供してね☆」は無理です。需要がありません。

オーガニック食材なんかを売りにしている結構いいレストランで、事前に予約したら対応してくれるんじゃないでしょうか。でも「これは食べません」と言い切るのではなく、「植物性油で炒めて」「野菜だけで」とかと細かく言えば多少理解してもらえるんじゃないかなぁ。


東南アジアのレストランの例ですが、東南アジアの料理は癖がすっごい強いですからね。日本食だって外人さんにはわさびが好きかくらいは聞きますよ。


確かにベジタリアンがまったく考慮されていないのは思うところがありますが、実際日本に住んでいる人の大半は肉も魚も食べますからね。

アレルギーの人は理解されるようになっていますが、ベジタリアンは「主義」なので、「自分の勝手」だと思われているのかもしれません。

 

 

 

「いただきます」という文化

いただきますは「その食事にかかわった人たちへの感謝」、そして「自分の命の糧になってくれる命への感謝」という意味です。翻訳できない日本語で、日本の価値観ならではの言葉です。

その命というのは、動植物、口に入れるものすべてです。
日本人は、「命をいただく」ことを理解し、感謝し、食事するんです。


なので、動物の命を奪って食事することにも違和感がありません。
宗教上の理由で動物の命を奪うことに抵抗がある人、生理的に受け付けない人、いろいろな考え方があります。

でも日本は基本的に、「命をいただくこと」で自分たちが生きているのだという認識があります。
だからベジタリアンといわれても、なかなか理解しづらいのでしょう。


観光大国になるため、ベジタリアンメニューは必要?

イスラム教をはじめ、宗教的タブーがある人や、単に肉が嫌いな人。ベジタリアンにもさまざまな背景があります。
この記事では、「観光大国として、ベジタリアンに対応してほしい」という思いがあるようです。

思うに、「ある程度は対応できるが、完全には無理」でしょう。


タイに行っておいて香辛料は無理って言っても、どうしようもありません。ですが辛味を抑えたり、においを消したりはしてくれるかもしれませんよね。

日本でも、「肉の変わりに豆腐」など対応できるかもしれませんが、「油はこれ」「ダシはこれ」などにまで対応はできないでしょう。商売ですし、そこまで対応する義務もありませんからね。

でも精進料理なんかはありますから、探せば見つかると思うんですが……。これは言いすぎ? 


観光大国であるというのは、「多文化に迎合する」ことではなく、「国のいいところを知ってもらう」ことだと思っています。

だから、「外国人もベジタリアンが多いから、それに対応しよう!」とはわたしは思いません。
それならベジタリアンが定着してる国に行けばいいんじゃない? と思ってしまいます。

英語表記はまぁ需要があるから必要だとは感じますけど。


ベジタリアンへの理解が進むことはいいことだと思いますが、日本食ではいまのところ、精進料理くらいでしか対応できません。それなら精進料理を食べてください。

むしろそれをビジネスチャンスなんかにしちゃえば、固定客はつかめるんじゃない?