アニメ/漫画「昭和元禄落語心中」が面白すぎる。見て!お願い!

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なんぞこれ……。熱い!  さらにはまったね。寄席なんかにも行っちゃったからね。



記事を書いたときはアニメを2話見ただけだったんですが、昨日漫画をそろえました。大人買いですよ。で、今日人生ではじめて、寄席に行ってみたいと思います。思い立ったら相変わらず即行動です。

 

正反対の2人の約束とは

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公式サイト

落語心中の面白いところは、なんといっても助六と菊比古の関係!
いや、まずはシナリオですね。

刑務所帰りの元チンピラ・強次は、1年前に慰問で訪れた八代目有楽亭八雲演じる落語『死神』を聞いて感動し、出所後そのまま八雲が出演している寄席に押しかけて弟子入りを申し出る。

それまで「弟子は取らない」と言ってきた八雲だが、彼なりの考えで強次は付き人として行動を共にすることを許され、与太郎の名を与えられる。

八雲の家に住み込むことになった与太郎は、八雲の養女・小夏と出会い、彼女の実父で早逝したかつての天才落語家・二代目有楽亭助六の芸風を気に入り、自らの芸に取り入れ精進するが、同時に助六の死と八雲、小夏にまつわる因縁の一端を徐々に知ることとなる。

Wikipedia

という話。

与太郎→主人公、お調子者で前科者。ちょっとバカだけど愛されるヤツ。
八雲→与太郎の師匠で昭和最後の大名人と呼ばれる。きまじめな堅物。
助六→八雲のかつてのライバル。希代の天才だけど酒と女にだらしない自由人。
みよ吉→元芸者で小夏の母。
小夏→助六の娘で、助六の死後、八雲が面倒を見ている。父ちゃんの落語がすき。八雲が嫌い。

がメインの登場人物です。


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何が熱いって、八雲師匠が若かりし頃したある「約束」の話。

八雲師匠は昔は菊比古という名前で高座に上がっていて、きまじめで神経質、もともと落語が好きではなく、「親に捨てられたからしょうがなく」落語をはじめました。

で、同い年で同じ日に入門した助六は、落語が大好き。で、稽古しないくせにお客さんを引き込む力は一級品で、めきめきと人気を博していきます。でも女と酒にだらしなく、大御所とけんかすることもしばしば。

そんな正反対な二人は、とある約束をします。


「助六は変わっていく落語を、菊比古(八雲師匠)は変わらない落語をしていく」


お互いがお互いを認め、妬む。そして、親友。
ああ、熱いね! 2人が正反対すぎて、おもしろくて、ちょっと切ない。


ノスタルジックな「粋」が半端ない

昭和、とはいっても落語の世界なので、雰囲気的には文明開化後の日本って感じ。
過去編(八雲と助六が二人でしのぎを削っていたころ)では洋燈(らんぷ)や路面電車なんかがいい雰囲気を出していて、ノスタルジック!

洋服と着物、さまざまな服装で落語を楽しむ観客っていうのも乙。菊さん(八雲師匠)が煙管くゆらせてるシーンがとりあえずかっこよすぎてつらい。キャプ見つからなかったけど。

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わかります!? この情緒あふれる感じ! んーいいねいいね! いちいち風情がある……。
風景のきれいさでいえばアニメは素晴らしいです。

さらに八雲師匠の下町言葉が粋!

「みよ吉さんの声だ…… アタシからみぃんな奪ったあの人(しと)の声……」(9巻)
ここはどこなんだい。このロウソクは何なんです。極楽か……そいとも地獄かい?(7巻)


うーん、風情があるんだよなぁ。
声に出したいというか。漫画の情緒たっぷりの感じも好きだけど、アニメのちょっとノスタルジックな感じもまたいい。


そして、落語がおもしろい

みなさん、落語ってどんなイメージがありますか? わたしは大喜利のイメージしかない……。

この落語心中は、落語を知らなくても楽しめるようになっています。
漫画ではネタにさかれているページは少ないですが、アニメは結構がっつりネタやってます。どういう話なのか、というのは見ればすぐにわかります。

漫画は声を付けられないので表情の味があって、本当に落語を聞いているかのよう。
アニメは実力はの声優さんたちが惜しげもなく各々の技を見せつけてくれます。
どっちにしろ、「うはー落語っておもしろいじゃんか!」と思わせてくれる作品です。しかも初心者に優しい。

わたしのようにこの作品きっかけに落語に興味を持った人も多いのではないでしょうか。

 

 

 

絡み合う過去と現在

過去編がなんともいえない……。
わたしはすぐに共感して落ち込んだりしちゃうんですが、この作品は「切ない」ですかね。

過去の八雲師匠と助六、そしてみよ吉。その3人の物語の延長に、「現在」がある。
助六の娘の小夏は父親の影を追い続けるし、与太郎は真打になるときに助六という名を襲名したいという。そして八雲師匠は、いまだに助六とみよ吉の幻影にとらわれている……。


人情、なんて生やさしいものじゃありません。
転落と復活、そして破滅――。
そんな過去が絡み合ってたどり着いた現在が、過去にとらわれている八雲師匠や小夏に影を落としているんです。切ないー!

人間模様と職人技を楽しめる作品

そうなんですよ! 本当に面白いんです!

純粋に落語家としてしのぎを削っていた菊比古(八雲師匠)と助六、そして菊比古とみよ吉の恋、助六の転落、そして破滅へ。そんな人間関係の機微がまた憎い! 情緒たっぷりに書き上げられています。

そしてなんといっても主軸である「落語」をおもしろく見せるための工夫が随所にしてあって、まぁ寄席に行ってみたくなっちゃうほどでした。

寄席の感想はまた後日更新すると思うので、少しでも興味を持ってくださった方は、まず原作をどうぞ♪