留学すれば「なんとかなる」は勘違い!過剰な期待はやめよう

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留学した、と言えば「ドイツ語完璧?」「英語も話せるの?」なんていわれることもあります。それは大きな誤解です。

そして留学すればめくるめく海外生活ができて、語学力も自然について、人間的に成長できるか、といえば全部が全部そういうわけではありません。その人次第です。

 

というわけで、「留学したらなんとかなる」と勘違いを、ちょっと訂正していきます。

 

「留学すればなんとかなる」は間違い!

たしかに留学っていうのは人生の転機のひとつです。新しい環境、多くの困難、挑戦……。でもだからといって、「留学すれば人生が変わる」のは大きなまちがいです。そりゃぁ変わる人もいますが、必ずってわけじゃない。

 

留学「行けばなんとかなる」思考が招く大失敗という記事で紹介されていた3つの失敗を引用させていただきます。

 

親が留学に過剰な期待

ひとつめは、Yさんの事例。親が「留学に行かせれば成長できる!」と勘違いしているパターン。

 

「今年の夏休みはどうしても大学生の息子を海外に行かせたい」とのこと。昨年、最後の一歩が踏み出せず、語学留学を断念したので、今年こそは行かせたい!という強い思いが伝わってきました。

後日、Tくんとお父さん、そろって留学カウンセリングに来てもらい、具体的なお話しを進めました。一方的に父親が説明し、聞いても本人の口からは終始あまり言葉が出てきません。

結局Tくんはある日、カウンセリングの約束の時間に来なくなり、後日お父さんから「今回は断念します」との連絡が。渡航には至りませんでした。

 

多くの場合、留学は自分の意思です。が、「親が行けっていうから」という理由で留学する人が少なからずいます。子どもはとんだ災難です。

たしかに留学って言えば聞こえがいいですが、本人が望まないなら、ただ海外に送り込むだけです。ものすごい嫌がらせです。

 

きっとお父さんは、「海外に行けば子どもは変わる! 成長する!」と思っているんでしょう。ですが本人が行きたくなければ学べるものも学べません。そして、わたしもでしたが、海外に行って自信喪失、挫折を経験することも多いのです。それを乗り越えられれば成長といえばますが、心折れて途中で帰国する人もいます。

 

親が留学に過剰な期待(2)

こっちは現実逃避パターンです。こういう方もいるんですね。

 

 Yさんのお母さんから「担当エージェントを変えたい」というお電話を受けたのは、3月中旬のことでした。お母さんは「留学を斡旋したエージェントの対応が悪い」とおっしゃいましたが、よくよく聞くと、もともとYさんは日本の高校で引きこもりがちで、現地ではムリに学力に合わない学校に入学させたためついていけず、またホストファミリーとの意思疎通もうまくいかなかったようすなのです。

その背景を掘り下げると、そこには本人や親の、2つの「過度な期待」があるとわかります。

まずは「海外に行くことで、自分の(子の)”問題”が解決するはずだ」という期待。「引きこもり」や「問題児」といわれる状態から、海外に出ることで、社交的・意欲的で素直な自分になれる(わが子になって帰ってくる)のではないかと期待する方は少なくありません。

もうひとつの「過度な期待」は、ホストファミリーに対する考え方。われわれは幸いにも、世界で最も豊かな部類の国で生活しているため、どうしても日本を基準に物事を考えがちです。前述の例で言えば、欧米では冷凍食品を「効率的だし、当たり前の食事だ」と考える人も多いのが現実です。

またファミリー側の受け入れ責任は、基本的に「部屋と食事の提供」のみで、コミュニケーションの度合いは家族によってまちまち。

 

お母さんがYさんを心配しているのはわかるんですが、ちょっと無責任ですよね。欧米に留学したそうですが、みんなが社交的なのでYさんが萎縮する可能性が高そう。

海外留学で人生観が変わる人もいるかもしれませんが、もとある性格ががらっと変わることは少ないと思います。これは過度な期待です。

 

当たり前ですが、日本で抱えている問題を解決せずに海外に行かせても、同じ問題に直面することが多いでしょう。

わたしが日本を飛び出してみたけど、環境を変えたら人生が変わるわけではなかったのと同じです。

 

そしてホストファミリーはかなりあたりハズレがあります。

友達はホストファミリーが大学用にお弁当をもたせてくれた上、バスが少ないので車で送り迎えもしてくれたそう。一方もう1人は離れのようなところに1人で住んで、付属している独立キッチンやシャワールームを使ってコミュニケーションはゼロ。そんなこともあります。

 

よそさまの家に住まわせてもらうわけですから、相手に合わせるしかありません。ホストファミリーがみんな日本好きで留学生に関心があるわけじゃなく、場合によってはエージェンシーからのお金欲しさに空いている部屋だけあてがう家族もいます。

 

「ホストファミリーと本当の家族みたいな絆を築いたよ★」っていうのは理想ですが、100%そうなる、というのは過剰な期待です。

 

留学すれば語学力がつくという期待

これは声を大にして言いたいんですが、「大きな勘違い」です。留学中必死で勉強したから語学力がついたわけで、ただ住んでいたからではないんです。当然のように「ドイツ語できるよね?」と言われると「いやいやw」と思います。

 

大学3年生のAくんが相談に来たのは、春休みの3月中旬。1年間カナダに留学して帰国したばかりだが、なんと「フィリピンの語学学校で英語を学び直したい」というのです。

彼が選択したのはカナダ・バンクーバーでのワーキングホリデー。おカネをセーブするために語学学校には通わず、現地のレストランでアルバイトしながら1年間生活することを選びました。

ではなぜ、そんな彼が英語を学び直すことになったのか。

ただ注意が必要な点として、アルバイト先は日本食レストランやお土産屋さんといった、日本語環境の職場が多いこと。滞在先として人気のフラットシェアも日本人同士でシェアするケースが多いのです。そうすると結局、一日中一言も英語を話さない日もザラで、結果的に英語力を伸ばすことができずに帰国に至ることがよくあります。

 

意外かもしれませんが、語学力ゼロでも生活できるし、お金を稼げます。留学中も日本語だけで通している人も一部いました。その人たちは1年ドイツにいても、ドイツ語で自己紹介すら満足に出来ません。

 

住んでいれば、たしかに現地の言葉を耳にします。が、それだけです。洋楽を毎日聞いていたら英語ができるようになるかと言えば、そうじゃないですよね。そういうことです。

 

 

 

留学すればキャリアアップできるという期待

同じ方の留学で「人生棒に振る人」が陥る3つの勘違い という記事では、社会人留学したこんな方が。

 

彼女の勤める職場・職種では得意の英語を生かすことができず、ストレスの溜まる毎日。そんな中、ネットでワーホリの存在を知ります。

そこにあったのは、オーストラリア・シドニーのカフェでイキイキとアルバイトをする人の記事でした。「これだ!」ということで、勤めていた会社を退職、半年後には念願の海外生活をスタートさせます。

最初の3カ月間は語学学校に通い、TOEICは800点をクリア。その後1年間をかけてオーストラリアの4都市を回り、カフェや農場でのアルバイトも経験し、夢のような1年間はあっという間に過ぎ去っていきました。……と、そこまではよかったのですが……。

オーストラリアから帰国後、早速就職活動に入ります。現地で培った英語力を武器に、外資系企業や貿易商社を中心に受けていったものの、手元に届く通知はすべて「不採用」。聞けば、ほとんどが書類審査の段階で落とされてしまったそうです。唯一面接に進んだ会社でも「TOEIC800点というだけで国際関係の部署はムリ」と言われてしまう始末。

 

いやぁ……

もともとの語学力がどの程度かは知りませんが、半年の準備期間、1年間のワーホリでTOEIC800点ですか。そりゃ厳しいです。

 

そして「海外に行った経験は就活に強い」というのも微妙な話で、最近は海外に出る人も多いので、そもそもめずらしくはありません。逆に1年行ってて800点なら、「1年間なにしてたんだ?」と思われることもあるでしょうね。

 

カフェや農場のバイトでは、外資系の就活でアピールできませんよね。海外に行っていただけでキャリアアップができるかといえば、まったくそうじゃありません。

職を得たいのであれば、相応の実力と経験などが必要になっていくわけですから。

 

海外生活とはなんなのか?

海外、でどこをさすかはわかりませんが、日本以外の国でどんな生活が待っていると思いますか?

正直なところ、欧米だったら、「言葉や文化はちがうけど似たような生活レベル」です。1人暮らしなんかしちゃえば、たいした変化はありません。大都市にはアジアンマーケットもありますから。

 

発展途上国や新興国なら場所によりますが、海外で生活するからといって、大きな変化があるか、といわれれば微妙です。もちろん文化や言語は学べますが。

 

海を越えても、そこには現地で生活している人がいるわけです。紛争地域などに行かなければ、基本的に衣食住は苦労しません。結局のところ、日本を飛び出してみても、環境を変えたら人生が変わるわけではないんですよ。

 

過度な期待は自分が苦しむだけです。

 

留学して得られるものは自分しだい

結論はコレですね。新天地ということで、いろいろと期待するのはわかります。が、どこにいっても結局自分次第です。日本で引きこもりだったから海外で社交的になるかといえば、社交的だったのにドイツで引きこもっているわたしの例もあります。

 

せっかくの海外生活なら、たくさん学びたいものですよね。でしたら過度な期待はしすぎず、自分とちゃんと向き合って、実りある海外生活をしましょう。

 

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