日本人って、よく「謝りすぎ」って言われますよね。電話口で頭を下げているサラリーマンも見かけます。
自分はあんまり謝らない方だと思ってたんですが、ドイツで生活していると、「謝りすぎてるなぁ」と感じることも多いです。
ドイツにいるヨーロッパや中東から来た人たちは、ぜんっぜん謝りません。
どれだけ謝らないかというと、マジで本当に謝らない。謝ったら終わる話じゃん! ってときでも謝らない。本当に謝らない。びっくりするほど謝らない。
それに比べ、わたしはバイト中、無意識のうちに何度も「すいません」と言っていました。
なんだか癪なので、「バイト中一度も謝らなかったらどうなるか」を実験してみました。
謝りすぎなので、謝らなかった
ドイツ語で、「すみません」はEntschuldigungと言います。sorryもexcuse meも、この単語ひとつでいけます。今日は、気軽にEntschuldigungを使わない! と心に決め、バイトへ。
考えてみると、謝りすぎてた
わたしがバイトで「すみません」(Entschuldigung)を使っていた場面。
・事務所で社員2人が話しているところに割って入る→「すいません、ちょっといいですか」
・自分が提供できないものをお客さんに希望される→「すいません、それは扱ってないんです」
・知らなかったことに対して「やらなきゃいけなかったんだよ」→「すいません、やります」
・ほんのちょっとぶつかった→「すいません」
・店長「これやって」→「すいません、手がふさがってるのでこの後やります」
・背が低いので、男の人に「すいません、これ取ってもらえますか?」
もっと細かいところで言ってたのかもしれないけど、こんな感じ。
振り返ってみれば、このどの場面でも、「すいません」と謝る必要はありません。
ドイツでは、上の状況ではだれも謝りません。謝る人が確実にゼロではないけど、ほぼ100パーセント「すいません」とは言いません。
上の例をみると、日本人がごく一般的に「すいません」を使うタイミングですよね。謝っているつもりはなくても、なんだか「すいません」が口から出ちゃいます。完全に謝りすぎな日本人です。
「今日は一日謝らない」理由
なんで謝らない人になってみようと思ったのかというと、無意識でも「すいません」と言った瞬間、自分が下の立場になるからです。非を認めたってことですね。
そうすると、ドイツでは「あなたの責任なんだからどうにかしておいて」って言われます。マジです。
あと感心したのが、謝ると、「謝らなくていいからやって」と言われることが本当に多いんです。
バイトの時間をまちがえて、1度だけ遅刻したことがありました。もう土下座する勢いで店長に謝ると、「大丈夫大丈夫、さぁ仕事がんばろ!」みたいに言われました。びっくりです。たしかに謝っても仕方ないしな。
謝りすぎ→謝らない人への挑戦
というわけで、謝りすぎの日本人が、謝らない人になってみました! うっかりすいませんと言わないようにするのって、結構大変だったよ!
謝らないパターン1:堂々する
わたしはかなりの小心モノなので、とりあえず謝っちゃうことが多いです。ので、うっかり謝らないように、堂々としてみました。
朝のミーティングで、ほかの人が「娘の迎えがあるので、30分早く上がってもいいですか?」って堂々聞いてました。まったく悪びれず。社員なのに。
そしたら、「ちゃんと引き継げばいいよ」で話は終わり。
堂々としてれば結構意見通るんじゃん! と確信。
飲食系なので、休憩はとれなかったら諦めていました。が、ためしに「30分休憩とれなかったんで、30分早く帰っていいですか?」と聞いてみました。そしたらあっさりOK。
びくびくしてたから、「残業して!」とか言われてたんでしょう。堂々と言えば案外イケました。自分の意思表示はしっかりしなきゃダメですね。
謝らないパターン2:折れない
思ったことを言うタイプですが、小心モノなのでところどころビビッてしまいます。
今日は堂々と意見を貫き通してやる! と固い意志を持っていたので、途中で謝らないようにかなりの強気でいきました。
バイト先はなぜか毎週だれかが病気になるので、今日も「雨宮さん、明日働ける?」と聞かれました。
うちはバイトが2人、あとは正社員ばっかりなので、欠員の補充はバイトしかできません。
で、ホントに毎週こう聞かれるんですよね。「今日働ける?」とか「明日働ける?」とか。
たまに断りきれなかったことがあるんですが、ライター業がんばってるので、すごく迷惑。たまにならいいんだけど、毎週だとたまったものじゃない。
なので、「無理です。そういうのであてにしないでください」とバッサリ断りました!
「いっつも無理だよね。明日なにするの?」「私用があります」と押し切りました。そしたら「そっか」と引き下がってくれたので、やっぱり折れないことも大事だね!
謝らないパターン3:突っぱねる
バイト先に、おせっかいすぎる人がいます。正直に言うと、嫌いです。
わたしがなにか運んでいると、「なにに使うの?」と聞いてきて、答えたら「そのやり方じゃダメ」って自分のやり方を押し付けてきます。
自分の中でちゃんと予定があるのに、「そろそろ○○やる時間だからね」とかって言ってきたり。断ったら、すごい勢いで意見を押し付けてきます。
で、その人は人の仕事に勝手に首を突っ込んできて、指示したり文句を言ってきます。
反論しても面倒なだけなので、いつも適当に流していましたが、もう我慢の限界! 人の仕事勝手にすんじゃねーよ!!
いつもの「すいません、わたしの仕事なのでそれやります」から、「わたしの仕事なので勝手にやらないでください。困ります」へ変更。
「は? 手伝ってるんだけど」「何も言わずに手伝われたら困りますし、わたしなりの順番があるので必要ないです。手伝ってもらいたかったら言います」
そこから! 案の定口げんかへ!!
「善意でやってる」「あなたが自分でやらないから」「こうしろって言ってるのに」などなど独自の理論を展開してくるので、「あんたの仕事じゃないんだから黙っててほしい」と言い続けました。そしたら向こうは、諦めたよ!!
いつも、「すいません、やります」って謝ってたから、「そうよ、ちゃんとやってね」ってなぜか注意されてたけど、向こうが勝手に首つっこんでくるわけですから、謝る必要はなかったんですよねー。
謝り損だった。
謝りすぎは楽だけど、謝らない方がいい
結論です!
心理的には、謝りすぎの方が楽です。なんでも「すいません」って言ってりゃいいんですから。
でもそうしてると、どんどん立場が弱くなります。謝って自分の非を認めてるわけですからね。謝れば楽だけど、それが常に最前の道とも限りません。
理不尽なことや迷惑なことも受け入れてしまったら、自分がつらくなるだけです。
謝らないっていうのは、メンタル勝負です。ひたすら謝らないだけですから。
でも、自分の意見を通すときや、なにかにプライドを持っているとき、相手がまちがえているような場合は、絶対に謝っちゃダメです。
謝ったら丸く収まるけど、謝りすぎて得るものはないです。謝る必要がない場合は、絶対に謝るな!
▼おススメ関連記事