一昨日記事にも書いたんですが、『限界まで消耗しないと「がんばった」って認められない日本社会が辛い 』という記事が拡散され続けています。5万回以上読まれています。
うれしい反面、「みんな辛いんだな……」とどこか切なくなりました。言及ツイートで、「わたしももう限界」「がんばれない」という声もちらほら見かけました。
「まだがんばれるでしょ?」という言葉で消耗して、ボロボロになっているあなた。そんなあなたに、贈りたい絵本があります。
押しつぶされそうな大人に贈りたい5冊の絵本
辛い。がんばれない。逃げたい。でも「がんばらなきゃいけない」。そんな思いに押しつぶされそうな人がたくさんいます。
記事がものすごく拡散されたのは、「限界まで消耗」というところが引っかかったんだと思います。
そんな、すり減ってまでがんばるあなたに、贈りたい5冊の絵本があります。
ただ「きれい」「泣ける」「いい話」だけではない、人生を考え、自分の生き方を自問自答できる絵本たちです。消耗するあなたが、自分らしく生きれる手助けになってくれるはず。疲れている友人へのプレゼントにもぴったりです。
あなたの心が、少しでも軽くなりますように。
ときめきのへや
考えてほしいこと:あなたの幸せには、なにが必要?
ネズミのピウスは、ものを集めるのが大好き。ものを拾っては、「ときめきのへや」と名づけた部屋に飾っていきます。
そんなピウスが特に大切にしていたのが、石ころ。本当にごく普通の石ころで、友達からも「せっかくの部屋が台無し」と言われてしまいます。大事だったはずなのに、みんなにそう言われたことでピウスも「この石ころには価値がない」と思い、川へ捨ててしまいます。
宝物を捨てたピウスは、後悔や虚無感、喪失感に襲われ、「ときめきのへや」の全ての宝物を処分してしまいます。
他人に流され、自分の大切なものを失ってはいませんか? 他人にとって価値がなくても、あなたの幸せには必要かもしれません。あなたが幸せになるためには、なにが必要ですか?
ぼくを探しに
考えてほしいこと:自分らしさってなに?
わたしはこの絵本を、ドイツまで持ってきました。「自分はどうなりたいのか」を考えたいときに、この本を開いています。
パックンのような彼は、完全な丸になるために自分のかけらを探します。そんなときに見つけた、「完璧なかけら」。大切に扱っていたら落としてしまい、落とさないようにきつく加えたらくだけてしまいます。
そしてやっと、ぴったりのかけらを見つけます。ですが完璧になったことによって失ったものに気づきます。
完璧になりさえすれば満足して、幸せになれると思ってた。でもそうじゃなかった。彼はかけらを捨て、再びかけらを探す旅に出ます。
あなたの人生は、完璧である方が豊かですか? 足りない自分だからこそ知っている豊かさがあるかもしれません。
スイミー
考えてほしいこと:あなたが出来ることはなに?
小学校の教科書にも載っている有名なお話です。赤い魚の兄弟たちのなかに、一匹だけ漂う黒い体をしたスイミー。兄弟である赤い魚たちは大きなマグロに食べられてしまうものの、泳ぎが得意だったスイミーだけは逃げ切りました。
そしてスイミーは孤独ななか海をひとりで泳ぎ、さまざまな出会いを経験します。
そんなある日、スイミーは兄弟そっくりな赤い魚たちを見つけます。彼らはマグロが怖くて自由に泳げないと言う。そんな彼らに、みんなで集まって大きな魚のふりをして泳ごうと提案します。
「ぼくが、目に なろう」と言って、黒いスイミーはその大きな魚の目となり、無事マグロを追い払います。
小学校では、「みんなで協力すれば成し遂げられる」と習ったかもしれません。でもよく読んでみると、作中ではスイミーがひとり海を泳ぐシーンの方がページが割かれているんです。
自分ひとりになったスイミー。そんなちっぽけな彼が自分を再発見し、「自分ができること」を見つけるお話なのです。あなたにもきっと、あなたにしか出来ないことがあるはず。それを見つける手助けになるかもしれません。
世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ
考えてほしいこと:あなたは今、なにを望んでいる?
ウルグアイのムヒカ大統領が2012年リオの国際会議で、「幸福」について語りました。それが話題になり、子供向けに絵本化されたものです。
ムヒカ大統領は、世界でいちばん貧しい大統領。給料のほとんどを寄付して、自らの運転で仕事に向かいます。
ウルグアイでは、長期労働が一般化していました。ですが長い戦いの末、現在は6時間の労働になったとのこと。ですが人々は、6時間働いたあとに別の仕事をして、ローンを払っています。
ウルグアイは、過去よりも豊かになりました。ですが、その先にはなにがあるのでしょう。モノが溢れていれば幸せなのか? お金があれば満たされるのか? 世界一貧しい大統領は、幸せのあり方を問いかけます。
たいせつなこと
考えてほしいこと:本当のあなたはどこにいる?
雪は冷たい。でも雪にとって大切なことは、いつも変わらず白いこと。風は頬で感じることができる。でも風にとって大切なのは、吹くということ。空は紛れもなく青くて高くて、空気に満ちている。でも空にとって大切なのは、いつもそこにあるということ。
いつも何気なくたたずんでいるモノは、それぞれの個性と役割があります。ですがソレにとって大切な「本質」はまたちがったところにあります。
最後は「あなたにとってたいせつなのは あなたが あなたで あること」で締められているこの絵本。
まわりから「あなたはこう!」と決め付けられ、苦しんでいる人。でも本当のあなたはどこにいますか? あなたの個性や役割はどこにありますか?
大人だから読むべき絵本たち
紹介した5冊の絵本はどれも、5分あれば読み終わります。でもその5分の間、あなたは「自分の人生ってなんだろう」と何度も考えることになるでしょう。
どうやったら幸せになれる? どうやったら自分らしく生きれる?
この絵本たちは、そんなことを問いかけてきます。
「努力」という名の自己犠牲によって追い詰められていく大人たち。でも探している答えは、もっとシンプルかもしれません。限界まで消耗せざるを得ない大人にだからこそ、読んでほしい絵本です。
絵本を通してゆっくり考えて、限界になる前に解放されてください。
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