日本人の多くは、「クリエイティブな仕事に就けるのはごく一握りのセンスを持った天才かつ変人だけだ」と思ってます。だからわたしも、「文章でお金を稼いでるなんてすごい!」と言われます。でも、それはちがう。
創造的じゃない人間なんていません。ただ、どう表現するかだけのちがいです。
「創造的」と答えた若者がたった8%の日本
PhotoshopやIllustratorを展開しているAdobeが、こんな調査結果を発表しました。「自分は創造的だ」と答えた日本人がたったの8%というのは衝撃的です。
たしかに「クリエイティブ」というのは、なんだか繊細でおしゃれでセンスがある、「良くも悪くもズレてる人」が支配している領域というイメージがあります。だから、「凡人だからクリエイティブではない」という考えになりがちです。
でも、それは!絶対にちがう!!
「個」を抑えることが得意な日本人
以前、「みんな黒髪にして同じようなリクルートスーツを着ることを前提としている就活は異常だ」と書きました。そしたら知人に、「その程度のルールを守るのは当然だ」と言われたんです。
「みんな同じ外見でいることに違和感を持たず、むしろそれが美徳である」と言い切る知人に、正直かなり引いてしまいました。
友だちは地毛が明るいからわざわざ黒染めしてたし、わたしはヒールがある靴が苦手だけど、就活のために何個も絆創膏を貼りながらパンプスを履いていました。
それでもその知人いわく、「その程度の協調性がなければ社会では生きていけない」そうです。
日本人は「悪目立ち」せずに済むように「個」を押さえることが得意なんだなぁ、と改めて痛感しました。
それが悪いこととは言わないけど、そのおかげで「個」に自信を持てない人が多いのもまた事実だと思います。
「凡人」だと思い込む呪い
「個」に自信を持てないと、より安全そうな「多数派」に流れるようになります。「みんながやってるから大丈夫」という安心感をほしがるんですよね。結果的に、「みんな一緒」じゃなきゃ行動できなくなります。
「集団」を前提に動いている日本では、「個性」はむしろ邪魔になります。
そんななかで生きていたら、「自分は特別な人間ではない」「みんなとちがうことを成し遂げることはできない」という発想になるのも当然のこと。そして「自分には新しいものを創造することができない」と自分を見限ってしまう。もったいないです。
日本人は、かんたんに「わたしにはできない」って言いすぎなんですよ。英語だって基礎知識はあるのに「話せない」って言うし、文句言うくせに「本人に抗議するのはムリ」って言うし。
なんでみんな、そんなかんたんに「自分はできない」って思っちゃうんだろう。自分の可能性に無頓着すぎるよ!!自信を持ったら死ぬ呪いでもかけられてるのか!?
日本人は「創造力」の使い方を知らないだけ
遺伝子学とか文化人類学には詳しくないけど、日本人だけが圧倒的に創造力を持っていない!なんてことはないはず。
ただ、「自分でなにか作り出す」「選び取る」機会が相対的に少ないから、自分を表現することに苦手意識を持ってるだけだと思うんですよね。
「創造」は「新しいもの(オリジナル)を作り上げる」ことだけど、わたしは「自分の世界を表現すること」も「創造」だと思うんです。
だって「自分の世界」は唯一無二なんだから、それを表現したらオリジナリティのある何かになるわけじゃないですか。そう考えたら、創造的じゃない人間なんてだれもいませんよ。みんな自分自身の世界を持ってるんだから。
「自分は凡人だから特別なことができない」って言ってる人は、自分のことを低く見積もりすぎです。
わたしみたいに何の能力もなければ専門知識もない、なんなら文章の書き方を学んだこともないような人間でも、自分を表現してお金をいただいているんです。いいですか、あなたが思ってるより「あなたの世界」は価値があるものなんですよ!
「自己表現」はむずかしいことじゃない
そもそも「創造的でない人間」がいること自体がおかしいじゃないですか。みんな、うまいへたに関わらず絵が描けるでしょう?文章が書けるでしょう?
日本なんてアニメや小説のプロアマがゴロゴロいるじゃないですか。カラオケで歌うまい人多いし、楽器できる人だって多い。それなのに「創造的ではない」なんて笑っちゃうよ!
「創造」っていうのは、自己表現です。自分の考えや想いを、かたちとして具現化するだけ。その手段は文章でも、絵でも、写真でも、歌でも、発明品でもいい。なんでもいいんです。
自分が考えていることをかたちにすることは、そんなにむずかしいことじゃないんですよ。素直に伝えればいいんだから。
「個性」を抑える教育を受け、そんな社会に生きていたとしても、あなたの「世界」はあなたのもの。かたちにして誰かに伝えれば、それは立派な「創造」です。
もっと自分に自信を持って、自分が特別な人間だとうぬぼれて、自分の世界を表現していきましょう。せめて半分くらいの人が、「自分は創造的だ!」と胸を張っていえるような国になってほしいと思います。