外国人に「ハロー」と言うのは正しいおもてなしなのか?

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オリンピックを3年後にひかえ、一時より落ち着いたとはいえ、英語教育や外国人観光客へのおもてなしなどが注目されています。

 

そんななか、『接客、おもてなし「ハロー」と「サンキュー」やめた方が良いというこれだけの理由』という記事を読みました。

「外国人に『ハロー』と言うのは正しいおもてなしなのか」はおもしろいテーマなので、ちょっと考えて見ましょう。

 

外国人扱いすることは「おもてなし」?

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訪日外国人が増え、日本の観光地ではどこでも外国人を見かけるようになりました。京都なんて外国人ばっかりだったし、山口県では中国人ツアー客がたくさんいましたし。

 

訪日外国人が増加するなか、「外国人にどういうサービスをすることが真のおもてなしなのか」は、日本が直面する大切なテーマのひとつです。

 

「ハロー」と声をかけるのは親切なのか?

接客、おもてなし「ハロー」と「サンキュー」やめた方が良いというこれだけの理由』という記事では、スリランカ出身で現在日本国籍の筆者が、買い物の際レジで「ハロー」「サンキュー」と言われたことについて書かれています。

その方は30年以上日本に住んでいるのですが、外見がバリバリ外国人だから「外国人」扱いされたわけです。

 

「外見が日本人じゃない人」が来たら「ハロー」と声をかけるのが、世界に通用するグローバルなおもてなしなんでしょうか?

 

わたしは、ちがうと思います。

 

「外見が外国人っぽい」っていう理由で「ハロー」と言うのは、日本語が話せる&話したい人、両親は外国出身でアイデンティティは日本人の人などに対して、ざっくり言えば失礼です。

「外見が日本人ではない人は日本語が話せないが英語は話せるんだろう」って、だいぶ勘違いじゃないですか?

 

もちろん、筆者の方が書いているように、「ハロー」と言った方に悪意はなかったでしょう。問題はそこではなく、「外見が日本人っぽくない人に対して『ハロー』と言うことがおもてなしであるか」という点です。

 

外見で安易に外国人扱いしていいのか?

わたしはどこからどう見てもアジア人の外見をしているんですが、ドイツでドイツ語で話しかけても、英語で返されることが何度かありました。

あと、たまにあえて「ニーハオ」と言われることもありました。いや、中国人じゃないんですけど……。

 

日本人同士でいると、勝手に英語メニューが出てくることもあります。英語のメニューなんてさっぱりわからんから、ドイツ語のメニューをわざわざ頼むことになります。

 

日本に来た外国人に対して、「外国人っぽいから英語で対応しよう」っていうのは、「日本語はわからないけど英語ならわかるだろ?」っていう決め付けですよね。

サービスを英語にしたらグローバル化っていうのは、ちょっとしっくりこないんです。

 

望まれてもないのに英語で対応することは、「あなたはガイジンね」と突き放す行為でもあるんじゃないでしょうか。

がんばってフランス語を勉強してフランスに行ったのに、常に英語で対応されたらどうでしょう。うれしいですか?

 

 

 

英語サービスのために来日する外国人はいない

もちろん、乗り換え案内とか温泉の楽しみ方が英語で書いてあれば便利でしょう。

ただ、日本人が英語を使ったからって、訪日外国人が「ニホンジンがエイゴ話したひゃっほう!おもてなしイェェェェイ!!」って喜ぶわけじゃありません。

 

そもそも、英語を使って言語的に快適な旅行をしたいんなら英語を公用語としている国やスウェーデン、オランダとかに行けばいいんですよ。

旅先に日本を選んだ時点で、英語を使った快適なサービスなんてそもそも求められてないんです。わたしだってクロアチアに英語サービス求めなかったし。

 

「外国人」というと、なんだ未知の世界にいるわけのわからん生物だと身構える人が少なくないですが、ごくごく普通の人間です。当たり前だけど。だから「外国人へ向けてのおもてなし」なんてないんですよ。

 

「相手を喜ばせたい」っていうのが大前提にあって、その相手が外国人だったとしても、「どうやったら喜んでくれるか」は人それぞれです。

 

どうせ日本語がわからないから英語を使って「あげよう」なんて考えは、おもてなし精神とはまったくちがいます。安易に英語を使えば「国際的なおもてなし!」ってわけじゃないですから。

 

相手が「日本語がわからないから英語で説明してほしい」「英語のメニューがほしい」と望んだ場合のみ、それに応えればいいだけじゃないでしょうか。

 

外国人に対する「おもてなし」も同じこと

で、 じゃあ訪日外国人にはどういう「おもてなし」をするのが「正しい」のか?って結論。

簡単な話で、「相手にとって日本滞在がいい思い出になるサービスをすること」じゃないでしょうか。

 

英語ができなくても、窓口の人が身振り手振りで丁寧に説明してくれたら、「いい思い出」になりますよね。英語のメニューがなくてレストランで困っているとき、スマホでググって写真を見せてくれる店員さんがいたら、うれしいですよね。

 

これは「相手を喜ばせるために心配りをする」 っていうおもてなしの前提を踏まえたら当然のことだし、外国人でなくとも通用する考え方です。

 

もちろんそういったプラスアルファの対応をするかどうかは、サービス提供者の判断によります。絶対そうすべき!ってわけじゃありません。

でも「外国人っぽいから英語で対応」よりはるかに「おもてなし」してると思います。

 

長々書いたけど、海外在住者としてはドイツ語話せるのに英語で対応されたらがっかりするし差別感丸出しなので、安易に「外国人っぽい=英語対応」ってのはやめた方がいいんじゃないのって話でした。

 

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