日本に3ヶ月ほど帰省していた雨宮です。その3ヶ月で思ったのは、日本はとにかく「プレゼントのやり取り」が多すぎる!ってこと。
今年に入ってからの半年間を考えただけでも、新年、バレンタイン、ホワイトデー、新学期、新年度、GW(子どもの日)、母の日、父の日がありました。
恋人の記念日、誕生日、結婚式や法事、出産祝いや引っ越しの挨拶、旅行のお土産なんかも考えれば、プレゼントのやり取りがとにかく多い!
義務感によるプレゼントは、あげる方ももらう方も不幸になるから、もうやめようよ!
プレゼントは本当にうれしいのか?
最近、プレゼントをもらったのはいつですか? 記念日や誕生日、お土産や返礼品、年賀状、母の日……いろいろ考えられます。これからの時期だと、暑中見舞いをもらう人もいるでしょう。
でも、よく考えてみてください。もらったプレゼント、うれしいですか? 使ってますか?
日本はなんでこんなにも「プレゼントをすべきタイミング」が多いんだろう。義務感から贈るものは基本ゴミになるからやめようよ!
双方疲弊する形式上のプレゼント
「特にあげたくはないけど礼儀だから」って贈ったプレゼントは、たいていの場合はいりません。
引越しの挨拶として見ず知らずの人間からもらったタオルなんて、使いたくないです。お葬式の返礼品としてハンカチをもらったとして、日常使いするには抵抗があるし、かといって捨てるわけにもいきません。
こういう「形式上のプレゼント」は、基本的にすべてムダになると思ってます。しかもそれにさらにお返しをしなきゃいけないとなると、壮絶な消耗戦です。
息子の出産祝いを知人友人からいただいたのは嬉しいんだけど、内祝がほんとうに鬱陶しい。結婚式のご祝儀とかも同じだけど、あげる側ももらう側も幸せにせず、ただ業者が儲かるためだけの悪習が日本には多すぎる。したい人がするのは良いけど、それが社会の常識になってるのは何とも馬鹿馬鹿しい。
— 高田ゲンキ (@Genki119) 2017年6月10日
本当にこれです。ご祝儀みたいな現金のやりとりになると、さらに厄介です。結婚式は断れないし交通費かけてまで行った上でお金を「プレゼント」だなんて、アホかと。
プレゼントに安っぽい気持ちを込めるな
「プレゼントは気持ちだから」っていうのも一理あります。でも、「だからこそプレゼントが厄介なのだ」と言いたい。
ふだん素直になれない人も、誕生日や記念日に感謝や愛情を伝える、そのきっかけとしてプレゼントを渡す。とても素敵だと思います。「気持ちがこもったプレゼント」自体を否定するつもりはありません。
でもそれがたいていの場合「安っぽい気持ち」だから、プレゼントって不毛だなぁと思うんです。
「仕事を休んだから」って職場にお土産持っていく人がいっぱいいます。休暇とることをたいして申し訳ないと思ってるわけでもないのにさ。
で、富士山を描いただけのどこにでも売ってそうなクッキーをもらったからって、「よぉしこのクッキーもらったら休暇中に被った迷惑も水に流してあげよう!」ってなるわけじゃないでしょう。
だったら旅行のお土産を職場に買っていく必要なんてないですよね。でもくれるっていうものを断ることはできないし、もらったら自分が旅行したときにお土産を買ってこなきゃいけない。ああ、不毛!
ちゃんと「喜んでもらうため」にプレゼントを選んでわたすならいいけど、たいして気持ちがこもってないくせに「ほんの気持ちです」ってプレゼントするのは滑稽だと思う。
プレゼントは気持ちの押し付けでもある
そういうことを言うと、「プレゼントを選ぶための時間やお金、気持ちがうれしいからいいじゃん」という、メルヘンチックな反応をいただくことがあります。
でもわたしは、いくら時間をかけようと、高いものであろうと、いらないものはいりません。だってほしくないもの。
その昔、付き合っていた人にブレスレットをもらいました。わたしは「時計が好きだからブレスレットはつけない」と決めていて、ブレスレットなんか一つも持っていないのに、です。
つけなきゃ悪いので、左手にはいつも時計をしてるぶん右手にすることに。すると書き物をするとき当たって痛いので、毎回取ったりつけたりすることに。すげぇ邪魔だったよ!
で、よく考えると、その人は「彼女の誕生日だからプレゼントしなきゃ」って思って買ってくれたと思うんです。だから無難にブレスレットにしたんじゃないかな。
出産祝いで好みじゃないベビー服あげたり、結婚式で2人の名前が入ったお皿あげたり、自分の気持ちを押し付けるだけのプレゼントって本当にクソだと思います。言葉は悪いけど、気持ちのこもったゴミをもらってもね……。
プレゼントで気持ちを測るな
あと、プレゼントの有り無しや金額で、その人の気持ちを測るのが大嫌いです。
以前友だちと、「彼氏の誕生日プレゼントはいくらが相場か」という話になりました。「5000円~1万円」と言ったところ、「安すぎるよ!」「彼氏かわいそうだよ!」と反論されました。当時大学生だったけど、みんな平気で3万~5万って言ってました。
それが悪いわけじゃないです。ただ、「プレゼントの有無や値段で気持ちを測るのはどうなのよ」って思うんです。安いプレゼントは彼氏がかわいそうなの?
プレゼントっていうのは、気持ちを値段に換算するものじゃなくて、「相手を喜ばせたい」という気持ちをモノに込めることじゃないですか。「相手を喜ばせる」手段なら、プレゼントじゃなくて、料理するんでもマッサージするんでもいいじゃないですか。
だからこそわたしは、プレゼントの値段で気持ちを測ることはおかしいと思います。高ければいいんなら、現金あげれば?
不幸になるプレゼント文化を拒否せよ!!
「相手を幸せにして、互いにいい気持ちになれる」、幸せなプレゼントはたしかにあります。相手の好みやほしいものを把握して役に立つと確信できるもの、自分の感謝や愛情という気持ちをちゃんと伝えられるもの。そういうのは素敵です。
でもそれは高いものである必要はないし、「記念日だからなんかあげないとなぁ」という義務感から贈るものではありません。
相手を喜ばそうという気持ちがなく、形式的なもので、自分がもらってもうれしくないけどわたすようなプレゼントは、不幸になるプレゼントです。
日本は物を贈りあう、挨拶としてプレゼントする風潮が強くあります。また、11月22日(いい夫婦の日)や新学期応援セールなど、なにかにつけ「プレゼントしなよ!」というプレッシャーをかけられます。
でも自発的に「プレゼントしたい!」と思ったもの以外は、もらった側もたいしてうれしくないし、捨てられないぶん迷惑なことだって多いです。お返ししなきゃいけなければさらにうざいです。
義務的なプレゼントはもうやめましょう! あげる側ももらう側も不幸だよ!!