日本人を騙す在独邦人に遭遇。確定申告する人は気をつけて

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海外に住んでいると、いろんなトラブルが起こります。そして、日本人は同じ日本人に助けを求めがちです。しかしそれを見越して、海外在住日本人を騙す海外在住邦人というとんでもねぇ人もいるので、注意してください。

 

日本人なら助けてくれるだろうという甘え

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海外では、予期せぬことが起こりまくります。担当者は早口でまくし立ててくるし、どの役所に行けばいいかわからないし、手続きに必要なものが揃わない。もうどうしたらいいかわからない。そんなとき頼りにしたくなるのが、同じく海外に住んでいる日本人です。

 

わたしは彼がドイツ人だったので彼に頼りまくっていましたが、そういう状況ではない、語学力に自信がない人は、現地日本人に協力を求めますよね。可能であれば日本人にお願いしたい、という気持ちになるものです。

 

それ自体は理解できることだし、悪いことではありません。お互い様。

ただ、「日本人は同じ日本人である自分に対して親切にしてくれるだろう」というのは、ちょっと危険です。

 

というのも、海外在住邦人のなかには、右も左もわからない新規移住者をカモにする悪い人もいるのです。自力で解決するのがむずかしくて助けを求めてくる人を騙すんだから、相手としては楽勝もいいところでしょう。

 

というわけで、ちょっと悪い日本人と遭遇したときの話です。確定申告をドイツでする予定の人、気をつけてください。

 

ドイツ在住の日本人税理士を発見する

わたしはフリーランスなので、ドイツで確定申告をしなくてはいけません。まずは自分でやろうと努力しましたが、もうむずかしい!! まったくわからん!!

 

書類の一部が日本語なので、日本人税理士にお願いしたい。でもいないだろうなぁ……。

 

そう思っていましたが、ドイツで確定申告を請け負っている在独邦人の方を見つけました。きっかけは、とある在独ブロガーさんの紹介記事です。

 

「この人が紹介している人だし、日本人だし、信頼できるだろう」

 

そう思って、その方に確定申告をお願いしました。契約書もないしメールのやりとりだけなので心配でしたが、まぁ大丈夫だろうとタカをくくって。ここがすでに良くない(反省)。

 

確定申告&収入証明書のトラブル

あまりに作業が遅く確定申告が届かないので催促のメールをしましたが、返信がこない。何度かメールすると、「まだ時間がかかります。キャンセルしてもいいですよ」とのこと。

いやいや責任もってやれよ、と思い、「個人情報全部渡してるんだからしっかりやってください」と返信。

 

そんなこんなで、2016年ぶんの確定申告はその人にしてもらいました。

 

その後、ビザをフリーランスに切り替える際、税理士による収入証明書が必要になりました。急いでいたので、やや不信感があるもののそのドイツ在住の日本人にお願いをすることに。

 

少しして収入証明書が届いたのですが、その証明書にあるサインはまったく知らない人のもの。どうやら、「パートナー税理士に委託した」らしい。だれだそれ。

 

ちょっとおかしい気はしていましたが、なによりビザ更新が大事なので、「書類そろったからいっか」とのんきに考えていました。

 

 

 

ドイツで再び確定申告

2018年3月、2017年の確定申告をすることに。ちがう税理士(ドイツ人)を探してお願いしようと思っていたのですが、そのタイミングで急遽引越し&手術が決まりました。未曾有の家不足で家探しが難航、突然の手術に戸惑うわたし。

 

いっぱいいっぱいだったので、「とりあえず」その日本人に再び確定申告をお願いしました。そして確定申告を待っている間、ふたたびビザを更新しなくてはいけなくなったので、別途ビザ用の収入証明書も依頼。

 

まず、確定申告が3ヶ月経っても出来上がらない。そして収入証明書は「ビザ用に」と言ったのに、フォーマットがまちがっていて、外国人局で役に立たないというダメっぷり。

 

駄目押しは、メール誤送信。その人からのメールに、ほかの人の確定申告の書類がまちがって添付されていました。書類を記入した人の名前や収入、経費など、全部書いてあるやつ。見ちゃいましたよ、うっかり。

 

「これちがう人の書類じゃ?」と返信すると、「まちがえたので消してください」との返事。え、そんなあっさり?? これって相当やばいミスなんじゃないの??

 

さすがにありえない。やっぱりこれはダメだ。

 

ドイツ在住日本人税理士は、税理士じゃなかった

引越しが落ち着き、手術も終えた7月。ドイツの国際関係に強い税理士の方に相談に行きました。そこで、衝撃の事実を知ります。

 

「その日本人は確定申告をする権限を持っていない」

 

税理士の名前が登録してあるサイトがあるのですが、そこにその人の名前がないと言われました。つまりその人は、税理士ではなかったのです。

改めてその人のホームページをよく見てみましたが、たしかに『税理士』とは書いていません。そこらへん、わざとボカしているのでしょうね。チクショウ。

 

でも、堂々と「ドイツでの確定申告を請け負います」と言ってるんですよ。ドイツの税制について現地在住者向けのメディアに執筆もしていますし、SNSでもいろいろと発信してます。

そしたらふつうに信じるじゃないですか! まぁ不信感がありつつお願いしたわたしも悪いけど!!

 

「契約書はもらってないの? 契約してないのに勝手にパートナー税理士に委託するのはアウト。この人は代理で確定申告する資格をもってないから他人に委託したんでしょ、無断で。ほら、この請求書、『確定申告』って書いてない。確定申告しちゃいけないからってごまかしてるんじゃないの」と言われました。まじかぁ……。

 

ドイツ人税理士が「返金してくれるか聞いてみる」と言ってくれたおかげで、無事これまでのお金はすべて返金してもらうことができました。自分たちでもやっちゃいけないことをやっている自覚があるのでしょう。自覚がなければ、返金なんてしませんから。

 

 

 

ドイツで確定申告する際は気をつけて

わたしは法律の専門家じゃないから、「違法」と言い切っていいのかはわかりません。

でも税理士ではないのに確定申告を請け負い、契約もなく第三者に個人情報をすべて丸投げして委託するのは、まぁダメですよね、ふつうに考えて。

 

税務署で経緯を話し、「これから改めて確定申告するので提出が遅くなる」という相談もしました。

「警告とか入るかなー?」と期待していましたが、「ツイてないですね。でもそれは税務署の担当ではないので、相談するなら弁護士に」と言われました。野放しか……。

 

名誉毀損とか言われたらたまらないので、どこのどなたかは書きません。その人を訴えたいわけでもないし。ただ、日本人だからって無条件に信じちゃダメだよドイツで確定申告するときは気をつけて、という、自省を踏まえたメッセージです。

 

確定申告をお願いするのであれば
・その人が税理士の資格をもっているか、登録があるかを調べる。このサイトで名前を入れてヒットするかチェック
・契約書の有無、その内容
は絶対に確認しましょう。

 

そしてこれは何に関しても言えることですが、不信感をもったら第三者、できれば現地の役所や専門家に相談すること。「まぁいいや」「大丈夫だろう」と楽観しないこと。

 

税務関係でトラブったら厄介なので、もっと慎重になるべきだったと反省しています。

みんな、悪い日本人のカモにならないようにね!!(自省を込めて)