わたしは、空気を読みません。自分の言いたいことは言います。それは日常生活でも仕事場でも同じです。
「和を以って貴しとなす」のは、たしかに立派なことだとは思います。
でもそれは西暦607年くらいにできた決まりで、さすがに1400年も経ったら考え方や環境が変わるのはあたりまえです。それなのにいまだに「空気を読め」とかって脅迫概念に苦しんでいる人がいます。
日本人は「争わないこと」を第一優先にする傾向がありますが、それを仕事にもあてはめちゃうと、それは「空気を読む病」となります。
空気なんて読んでたら、仕事つまんなくなるし効率落ちるからやめたほうがいいよ。
空気を読んで仕事をする病
「空気を読め」という言葉は、とても危険です。
本来なら「お互いを尊重する」ことであって、「YESマンになれ」という意味ではないはずなんですが、現代では「余計なことを言わないほうが無難」と解釈されています。
わたしとしては「つまんなそうな人生だな」と思うわけですが、人の勝手なので好きにすればいいと思います。でもそれが仕事場にまで及んだら、それはもはや病です。わずらってます。
仕事でも「空気」に縛られる日本人
というのも、仕事において求められるのは必ずしも「和」ではありません。仲良しこよしやって会社が倒産しては意味がないのです。
最も特徴的だったのが、「仕事をするうえで大切だと思うもの」という項目だ。中国、韓国、インド、アメリカなど他の8か国で最も重視されたのは「高 い賃金・充実した福利厚生」。インドネシアでは83.1%、中国では79.0%など非常に高い割合の人が重視している条件であったが、日本では39.0% と格段に低い水準だった。
代わって、最も大切だとされた条件が「良好な職場の人間関係」で56%と、他国が軒並み10~30 %台だったのに比べ非常に高かった。続いて、「自分の希望する仕事内容」が51.3%。他国では、重視された「明確なキャリアパス」は10.5%と低かった。
この結果から見えるのは、日本人が会社に「居心地のいい空間を求めている」ということだ。
日本の仕事場では、「整った労働環境」よりも「ストレスのない人間関係」が優先されます。
なにがおもしろいって、「居心地のいい空間を求めている」くせに、ちがう記事では「日本人は世界一、自分の会社を嫌っている」と言われていること。救いようがないですね。結局なにがしたいの?
人に合わせて、空気を読んで仕事をする。そのくせ、会社は嫌い。もう意味が分かりません。
空気を読んで本末転倒
居心地のいい仕事場のために空気を読むくせに、会社が嫌いな日本人。なんで会社が嫌いになるかといえば、それは「空気を読んでいるから」ですよ。ほら、意味わかんないでしょ?
たとえばなんでシャープが台湾の企業に買収されるのか。経営力がなかった。
なんで東芝が社長3代に渡って粉飾決算をやったのか。要するに改革ができなかった。
粉飾をやりながら、役員の中で「ノー」と言う声がまったく上がらなかった。「やめたほうがいい」といえる人がいないんだね。
山本七平という評論家が、 かつて「日本は空気の国」だといいました。空気を乱すのがいちばんよくないと。空気を乱さない人間が偉くなる。「そうだそうだ」という人間が重用されて、 「違う」という人間は追いやられる。
こうやって空気なんか読んでるから、どんどん会社がイヤになっていくんです。共倒れもいいところです。
空気を読む=責任転嫁です。「だれかがなんとかするだろう」「バレても自分だけが悪いわけじゃない」って思考回路だからこういうことになります。
結局、日本で言う「空気を読む」っていうのは、「YESマンでいる」ということなんですよ。和を貴ぶというキレイゴトを盾に思考停止して、ほかのだれかが発言するのを待ってるだけ。
こんな仕事場じゃ、成長するものもしません。ヒトも、会社も。
仕事に必要なのは空気を読む力じゃない
「まともな会社勤めしてないやつが言うな!」と思うかもしれませんが、まぁ聞いてください。
わたしは家具屋で、販売員としてフルタイムで働いていました。そこには元家具職人で、信じられない勢いで家具を売り続ける超やり手の先輩がいました。
ですが先輩は職人気質なので、上司などに許可なく「対応します!」とお客さんに言ったり、「それは可能です」と言ったりしていました。
先輩からしたら、「自分の能力なら可能」だから言ったわけですが、上司たちは常に先輩を注意していたし、叱っていました。曰く、「独断で動くな」ということらしいです。
マネージャーや店長などは、販売員としてフロアで一番売り上げを上げている人に、褒めて認めることをしなかったばかりか、「空気を読むこと」を強制したんです。
結局先輩は、上司とのバトルに時間を費やすことになり、販売できる時間は減りました。もう本末転倒です。
販売員に求められることは、なんでしょうか。
笑顔で接客すること? 商品知識を蓄えること? 一番大切なのは、販売することですよ。
売るためになにしてもいいわけじゃありませんが、仕事で「みんなと肩を並べる」ことは必要なんですか? わたしはごく限られた状況以外では必要はいと思ってます。
空気を読んでみんな不幸になる
さらにもう1つ、バカらしくて笑っちゃうネタを書いておきます。
わたしは「お金をもらえない労働は仕事じゃない」と思っている人間なので、サービス残業はなにがあってもやりません。
そう言ってサービス残業を拒否したところ、「みんな1時間くらい平気で残ってるんだから、そういうこと1人が言い出すと困るんだよね」と言われました。
そのとき「バカじゃねーの」と言わなかった自分を褒めてあげたいと思います。
実際ほかの人たちは、時給で賃金を得ているバイトですらサービス残業していました。理由は、「みんな帰ってないから」とのこと。バカでしょ? バカすぎるでしょ?
そんなことするなら、マジで電気代節約のために家帰ったほうが会社のためだぞ。
空気を読んで仕事をするとなにが起こるかと言うと、足の引っ張り合いです。出る杭は打たれるし、だれかが不幸ならみんな不幸にならなきゃいけない。自分だけ抜け駆けはできなくなります。
目立っちゃダメという強迫観念に縛られて、無難で安全な選択肢しかとれなくなるということは、みんなが上司の操り人形になるということです。
そんなところで行う仕事は、ただの時間の浪費ですね。人生の無駄遣いです。
空気を読んでちゃ仕事はできない
ひとつ言います。空気を読んでまわりに賛同するばっかりだったら、あなたは会社に必要ですか?
たしかに、仕事でも人と関わるかぎり、人間関係は切り離せません。礼儀もあるし、距離感を保つ必要もあるでしょう。
でも日本の「空気を読む」って結局YESマンなわけです。そんな人が何人いても意味ないよね? じゃあいらないよね?
わたしが企業勤めしたくないのも、こういう無言の圧力が大嫌いだからです。人とちがうやり方をしたらダメ。みんなが来る飲み会に欠席はダメ。
こうしなきゃいけない、を押し付けてくるのに、いざとなったら「だれかがやってくれるだろう」と責任転嫁。もう病気ですよ。
あなたにやりたいことがあるなら、空気なんて読まずにガツガツやりたいことやった方がいいですよ。空気を読んでたら、結局人並みのことしかできませんからね。
それを会社が許さないなら、さっさと転職するなり独立した方がいいです。空気を読んで仕事をすれば、その他大勢の一人でい続けるだけです。
それが嫌なら、空気なんて読まないことですね。
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