7割の母親が時短ワーク!ドイツの父親・母親の働き方

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共働きが一般的になりつつある現代社会。でも実際は女性の家事、育児の負担がまだまだ大きいのが問題になってますよね。

 

わたしとしては、働かなくていいのは楽だけど、子育てが終わったら圧倒的虚無感にさいなまれそうだなぁーと思うので、専業主婦はイヤですね。

みなさんは子どもができたらどう働くのが理想的だと思いますか?

 

というわけで、共働き先進国であるドイツの母親、父親はどう働いてるかを調べてみたよ!

 

共働きが当然になる日本

統計見たほうが早いですね。日本は共働きが一般的になってきています。

 

▼共働き世代

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1000万世帯を超えなお増加中…共働き世帯の増え方をグラフ化してみる(2016年)

 

青の折れ線が男性が働いて奥さんが専業主婦の世帯数。赤が共働き世帯数。明らかに専業主婦が減って、共働きの世帯が増えてますね。

 

それが可能になった社会ってのもあるし、男性だけの稼ぎじゃつらいっていうのも理由にありそうです。

 

ドイツの母親、父親は共働きが当然

ドイツは共働き先進国として注目されています。まわりも専業主婦の家庭って全然見ません。

共働き世帯が多いので、必然的に仕事と家庭の両立がしやすい環境が整っています。問題がないわけじゃないけど、少なくとも日本よりはね。

 

父親も母親も働くのはどう思う?

理想論は抜きにして、自分が父親、母親になったらどうしたいですか? 専業主婦? 時短ワーク? 正社員?

 

伝統的な役割分担である、男が働き女が家を守るという考え方は、現代ドイツではどう思われているんでしょう。

 

▼父親がフルタイム働き、母親は専業主婦となって家事と子育てを担うのが理想的?

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• Arbeitsteilung von Mann und Frau in der Familie

 

ドイツでは、男性(左)も女性(右)も伝統的な性別により役割分担に賛成してるのは13%、14%となっています。意外に多いような、思ったより少ないような……。

 

日本はどうかというと、こんな感じです。

 

▼男女別、妻の理想の働き方

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妻の働き方の理想、男女ともに「専業主婦」は少数派?

 

左の青い部分が専業主婦がいいと答えた割合です。真ん中の「妊娠出産後に専業主婦が理想的」だという人は、男性15%女性14%。ドイツとさして変わらないんですね。

 

どの先進国も女性の社会進出が進んでいるので、意識的にも共働きが一般的になりつつあるようです。専業主婦はこれからどんどん減っていくでしょう。

 

ドイツの就業システムはどんな感じ?

共働きが一般的になった、とはいえ、育児と仕事を両立するのはやっぱり大変です。じゃあ両親は、どうやって働くのが理想的なんでしょう。

 

で、統計を見る前にドイツの就業システムにちょっと触れておきます。

いろいろあるけど、ざっくりいうとミニジョブ、時短ワーク、フルタイムに分かれます。

 

税金がかからないミニジョブは、月450ユーロが上限。これは非正規雇用で、いわゆるバイトですね。

 

Teilzeit(Teil=一部、Zeit=時間)の働き方は、日本語だと「非常勤」と訳されるみたいです。が、ちょっとちがう。

非常勤っていうと非正規雇用が主流。Teilzeitはフルタイムより短い時間働くだけで、労働者としての権利はフルタイムの人と基本同じです。

 

Teilzeitは週20~25時間くらいの労働が多いイメージです。月水金だけ、午前中だけなどの働き方。なので正社員としての時短ワークという言い方が近いんじゃないでしょうか。

 

で、ドイツでは正社員と非正規雇用という概念があまりありません。フルタイムのバイトっていうのは基本存在しないんですねー。

だから時短ワークでもミニジョブ以上働くなら、だいたいは日本で言う正社員的な雇用形態になります。

 

というか、バイトなのに正社員の仕事する日本の労働環境がおかしいんですけどね。

 

 

 

ドイツの母親の理想的な働き方

妊娠出産を経験したママさんは、日本だと「正社員としてフルタイムで復帰」「非正規雇用としてフルタイム or 時短ワークで復帰」「パート」の3つが主な選択肢になると思います。

 

ドイツでは、ミニジョブ、時短ワーク、フルタイムの3つの働き方が主なわけですが、ドイツの母親はどういう形態で働いているんでしょうか

 

ドイツの女性にとって、どういう形の生活が理想かの統計です。

 

▼理想的な生活は?(回答者は女性です)

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• Rollenideale von Frauen 

 

母親として時短ワークで働く:59%

母親としてフルタイムで働く:18%

母親になり専業主婦:14%

子どもをもうけずフルタイムで働く:13%

子どもをもうけず時短ワークで働く:4%

子どもをもうけず専業主婦:1%

無回答:5%

 

約6割の女性が、「母親になって時短ワークで働く」ことを希望しています。

 

共働き先進国とはいっても、母親が積極的に家事・育児をする風潮はドイツでも同じです。だからこそ、仕事と家庭の両立がしやすい時短ワークが理想的になるんでしょう。

 

ドイツの父親、母親の働き方は?

共働きが当然、女性は母親となって時短ワークするのが理想、という風潮のドイツ。実際のところ、ドイツの親はどんな感じで働いているんでしょうか。

 

▼未成年の子どもがいる家庭での、就労中の父親、母親の働き方(2012年)

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Vereinbarkeit von Familie und Beruf: Teilzeit bleibt Frauensache

 

左の輪が父親、右が母親。青がフルタイムで赤が時短ワークで働いている人の割合です。

 

父親はほとんどフルタイムで働いていて、母親は7割が時短ワークですね。女性も時短ワークで働きたいという人が6割、フルタイム希望が2割弱なので妥当といえば妥当です。

 

ですがこれを見ると、父親は働き続け、母親は仕事+家事・育児という状況になっているんじゃないかと思います。

 

ドイツは日本よりも労働時間が短いので、男性がフルタイムで働いているからといって育児をしていない、という結論にはなりません。女性も自分で時短ワークを選んでいる人が多いのでしょう。

 

でも共働きが一般的=両親ともフルタイムでバリバリ働いていると思っていました。それはちがうようです。やっぱり男性=働く、女性=家事・育児という前提は残っているみたいですね。

 

 

 

ドイツの時短ワークの母親はEUでも圧倒的に多い

ドイツでは、父親がフルタイム、母親は時短ワークで働いている共働き世帯がとても多い。それは時短ワークが一般的だからこその状況です。

 

日本だと正社員=フルタイムって感じですから、フルタイムが無理なら必然的に非正規のパートになります。スキルがある人も多いのに、もったいないですよね。

 

そう考えると、時短ワークっていいシステムだと思いません? 母親は社会との接点を持ちつつ家庭のための時間もとれる。家庭の経済状況もよくなる。

 

▼ドイツの母親は時短ワークが主流

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Statistik: Deutsche Mütter arbeiten häufiger in Teilzeit

 

紫がドイツの時短ワークしている女性の割合、青っぽいのがEUの時短ワークしている女性の平均的な割合。左から「子なし」「子ども1人」「子ども2人」「子ども3人」です。

 

子ども1人の家庭の母親で見てみると、時短ワークしている女性のEU平均は約3割。ドイツは約6割と圧倒的。時短ワークが浸透している証拠ですね。

 

子どもが小さいうちからフルタイムで共働きは大変だろうし、かといって専業主婦になってキャリアを捨てたくないって母親が多いと思うんです。そう考えると、時短ワークって制度はすごく魅力的に見えます。

 

母親・父親の理想的な働き方はなんだろう

母親、父親といっても、いろんな家庭があります。父親がバリバリ稼ぐ家庭もあれば、母親の方が稼ぐ世帯もある。一概に「この働き方が正解!」っていうのはありません。

 

でも子育てにお金が必要だし、個人のキャリアも大切。かといって子どもも諦めたくない。そういう人は多いんじゃないでしょうか。

 

そう考えると、時短ワークっていうのは理想的な制度に思えますよね。

 

フルタイムで働きたい女性もいるでしょうが、出産後すぐに両親ともフルタイムで働くのはやっぱりむずかしいんじゃないでしょうか。保育園だってタダじゃないし。かといって、男性の時短ワークが一般的になるほどには男女平等は進んでいない。

 

なので時短ワークという選択肢があるのは、女性にとっては仕事と家事・育児の両立の可能性を増やすことになります。

 

日本のなにが残念かというと、「正社員として」「フレキシブルな働き方」が認められづらいこと。優秀な社員でも、妊娠出産で第一線を退いてパートのおばちゃんになる女性が多いですよね。すごくもったいない。

 

非正規ではなく、ちゃんと戦力である正社員として時短ワークがもっと浸透すれば、もっと女性も働きやすくなるんじゃないでしょうか。

 

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