海外移住を考えるとき、「どの国がいいのか?」っていう情報はいろいろとありますが、「その国のどこに住むべきなのか?」っていう情報はあんまりないですよね。
自分自身がドイツ国内で引越しを控えているのもあって、わたしなりに「自分にとって住みやすい街を見つける基準」を考えてみました。
ドイツで自分にとって住みやすい街を見つけるには?
日本人なら、北海道や鹿児島の雰囲気ってなんとなーくわかりますよね。イメージしやすいというか。情報も溢れてますし、まわりに現地出身の人がいれば話も聞けます。
でもドイツとなると、なかなかそうもいきません。ハンブルクとミュンヘンの生活感のちがいなんて、よくわかりません。
本当は現地に行って1ヶ月くらい住んでから移住を決めるといいんですが、そういう時間がない方も多いでしょう。
というわけで、わたしなりの「住みやすい街を見つける基準(ドイツ編)」をお届けします。
1.はじめての人は日本人が多い街
はじめてドイツに住むって人におすすめするのが、日本人が多い学園都市です。
「せっかくの海外なんだから日本人がいないところ!」って考える人もいるでしょうが、ドイツに限っていえば、日本人コミュニティがある場所の方がいいです。絶対。
というのも、日本人が多いところっていうのは必然的に、日本に興味のある・好意的なドイツ人が多いんですね。
アジア人や外国人が暮らしづらい土地にわざわざ住まない方がいいです。日本食も手に入りやすいし、日本人同士の情報交換もできます。
「日本人とは関わらない!」って息巻く気持ちもめちゃくちゃわかりますが、実際困った時は現地の日本人のツテは本当に助かります。ビザや年金の手続きとかね。
ふだん日本人とつるむかは個人の自由だけど、いざというときにそういうコミュニティがあるかどうかは大事。
日本人が多い=外国感がないっていうのは気のせいだから大丈夫。中国人が「神戸には中華街があって中国人がいっぱいだからイヤ」って言うようなものです。
日本人が多いとはいってもそこらじゅうに日本人がいて日本語で生活できる……って環境は、ドイツで聞いたことがないのでご安心ください。
具体的にいえば、日本企業がある場所、日本語学科がある大学都市なんかがいいと思います。
日本企業があると駐在員が多いので家族コミュニティがあります。日本語学科がある大学は日本の大学と提携しているので、交換留学生なんかも多くいます。
2.生活環境を調べる
なんやかんや住む場所になるわけですから、生活環境は大事です。ドイツの治安は比較的いいけど、夜になると雰囲気が変わります。特に中央駅。浮浪者が多かったり、酔っ払って騒いでる人が多い駅があります。
まぁその人たちが実際襲ってくるかというとそういうわけじゃないんですが、やっぱりうれしくはありません。
ここらへんの情報は旅行者より在住者の人に聞いたほうがいいですね。質問とかに丁寧に答えてくれるタイプの現地ブロガーなどをさがしてみましょう。
制度的なものは「ググれ」って話ですが、そういった質問ならある程度答えてもらえるんじゃないかな。まぁわたしは居住地公表してないんだけど。
ドイツは州立国家で、それぞれ決まりがちがいます。とくに教育制度は州によってかなりちがうので、子どもがいるならそういうところも調べるべきですね。
平均給与や平均家賃とか、そういうのはネットで調べられるので見とくといいでしょう。
3.ドイツ語で生活する気はあるか
「ドイツは英語が通じる!」っていうのは、特定地域でのみの話。意思疎通くらいはだいたいの人ができるけど、手続きなんかをすべて英語でやりたいなら、かなり都市が限られます。
わたしの住んでるところは外国人局のくせに英語お断りだからな!
あと、最近ドイツは難民の影響で家不足です。大家からすれば、何十人も申し込んでくる入居希望者のなかから、わざわざ英語しか話せないアジア人に貸す理由はありません。ドイツ語ができないと、家探しも難航する可能性が高いです。
英語で生活したいのであれば、外国人(一定の国からの移民ではなく多国籍)が多いところがいいと思います。
あと、ドイツ語をこれから勉強するぞ!って人は、方言がきついところは個人的にあんまりおすすめしません。それに慣れちゃうと、ちがう場所に行ったときちょっと不便があるかもしれないので。
(語学学校とかならある程度気をつけてるだろうけど、日常生活でね)
4.必ずしも大都市がいいわけではない
やっぱり住むなら知ってる土地のほうがなんか安心ですよね。ベルリン、ミュンヘンとかフランクフルトとか。
でも、東京といっても新宿のど真ん中に住みたいですか?って話です。
たとえばフランクフルト。中心地に住むのはめっちゃ高いです。現実的に考えて、中心地から路面電車で20分とかそれくらい、中央駅で考えると30分以上かかる場所に住むとします。
そうするとですね、電車で40分の位置にマインツ、ダルムシュタットって街があったりするわけです。
で、そこらへんの中規模都市だと、中央駅から路面電車で5分の場所に住めたりするんですね。のんびりしてるし。
ドイツは地方分権なので、大都市じゃないから殺風景ってことはあんまりありません。ある程度の規模の都市なら、新市街と旧市街があって、旧市街には美しい街並みが残っています。
都会でもいいけど、都会じゃなくてもいい。ドイツは街によって雰囲気がすごく変わるから、いろんな規模の都市を視野に入れるといいですよ!
5.結局は直感頼りになる
とはいえ、なんやかんや最後は直感です。このお城がキレイだとか、なんとなく行ってみたいとか、そういうのが最終的に大事になってきます。
だって、考えたってわかんないもんはわかんないからね。
わたしは交換留学のとき、「大都市ベルリンはなんかなぁー。写真見てもピンとこないし、お金かかりそう」って理由で、ちがう都市に希望を出したんですね。
で、一回旅行に行ったとき、「すごく興味深い街だけど自分が住む感じじゃないなぁ」って印象でした。個人的に。
ベルリンが悪いってことはまったくないんですけど、そういう直感や「なんとなくこっち」っていうのも結構大事。ガイドブックなんかを見てみるといいかもしれませんね。
どの街に住むかであなたの人生が変わる
海外移住って言っても、どの都市に住むかによって、海外生活が天国にも地獄にもなります。
どこの国にするかももちろん重要だけど、どの街に住むかもすっごく大事。
気に入らなければ引っ越せばいいけど、どうせ住むなら気に入るところに住みたいですよね。
というわけで、わたしならこんな感じで住むところを決めるなーっていうのをまとめてみました。
仕事や大学の都合で住む場所を選べないなら話はちがいますが、選べるのであれば自分の気に入る街に行きましょう!