席を譲るのはいいんだけど、親切がむずかしい世の中だよね

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電車やバスで、優先席ってありますよね。妊婦さんやお年寄り、松葉杖を使っている人など、「立っているのが大変であろう人」が優先的に席を使える場所です。

 

でも、優先席じゃなくても、目の前にお年寄りが立っていたら席を譲るのが「マナー」となっています。とはいえ、めちゃくちゃ譲りずらいですよね。

妊婦さんだと思ったけど、ただのデブだったりしたら最悪です。お年寄りに譲っても、「年寄り扱いされた!」と思う人もいるようで。

 

席を譲るかどうかだけなのに、なんでこんなに面倒くさいんだろう。

 

親切で席を譲ってイヤな思いしたくない

席を譲るかって、すっごく迷いません? 高齢ではあるけど背筋がピンとしてる人とか、優先席じゃないところにいるんだから座らなくてもいいのかな、とか。親切な行為のはずなのに、なんだかやりづらい。

 

親切って、本来そういうものじゃないと思うんですよね。道端で泣きながらお母さんをさがしている子どもがいたら、一緒にさがそうって思うじゃないですか。(もうすぐお母さんが来るだろう)って放置する人は少ないんじゃないかと思うんです。

 

そこに打算やら、ためらいはないはず。でも席を譲るってなると、なんだかためらっちゃいます。共感してくれる人も多いのではないでしょうか。

 

親切を強要するのは浅ましい

わたしは基本的に立つのが嫌いなので、できるかぎり座ります。ですが目の前にお年寄りがいたら、やっぱり迷います。譲ったほうがいいのかなぁと思います。

 

わたしが結婚式場で働いていたとき、8時間以上ヒールで立ちっぱなしでした。しかも姿勢にも気をつけなきゃいけないし、座ってもいけない。足の感覚がなくなるレベルで疲れていました。

 

どうしても座りたいので、電車を1本見逃し20分待って当駅始発の特急電車に乗りました。そうするといつも座れるんですね。だからこそ痛い足を我慢して待ったわけです。

 

で、20分待って乗った電車で座ったわけですが、ひとりのおじいさんが乗ってきました。他にも立っている人がちらちら。で、きょろきょろ車内を見渡すわけです。わたしのまわりにはサラリーマンばっかり。仕事帰りでしょう、わたしと同じです。

 

そしておじいさんはわたしの目の前に座り、思いっきりにらんできます。寝るつもりで目を瞑ったのですが、視線に気づきます。譲って欲しかったんでしょうね。

 

おじいさんからしたら、わたしは元気な若者だったんだろうけど、倒れこみそうなほど疲れていたんです。座るために待ったんです。

 

優先席ならまだしも、ほかの席で「譲れ」アピールはちょっとなぁと思います。「座らせてもらえませんか」と言ってくれたら、他の元気な人が譲ったでしょうから。

 

親切を受け取れないひとたち

わたしの友人が、目の前にいたお年寄りに席を譲ろうとしました。ですがその人は、「年寄り扱いするんじゃない!」とブチギレ。それだけならまだしも、「わたしは~できるぐらい元気なのに」「人を見た目で判断して」などなどの難癖をつけ続ける。

 

「譲っていいのかわからない」って思うことありますよね。わたしだって元気なときは譲るつもりでいますが、それがその人が望んでいることなのかがわかりません。

 

でもそれって、なんか変だと思いませんか?

 

本当なら親切で、「立ってるのはしんどいだろう」という思いやりで譲るのに、なんでびくびくしなきゃいけないんでしょうね。断るとしても、「大丈夫です。ありがとう」で済むじゃん。

 

席を譲ったけど断られたから着気まずくて車両を移動する、とかさ。

親切な行動をしたのに、なんで気まずい思いをしなきゃいけないんだろうって思うんですよ。いいことしたんだよ?

 

優先席は本当に親切なのか

さて、優先席問題です。これって本当に親切なんでしょうか。新たな火種をまきちらしているような気がします。

 

あなたは優先席に座りますか? 怪我をして座りたいとき、優先席へ向かいますか?

 

優先席に誰も座らない問題

優先席、と書いているから、立つ元気がある自分は座っていけない――と不自然に空く優先席を見たことがあります。それもそれで変じゃない? 座ったほうが楽なのにさ。

席なんて座るためにあるんだから、使っていいと思うんですよ。優先席って書いちゃうと、気兼ねする人もいますよね。それも微妙。

 

優先席なのに譲らない問題

ネットで調べてみると、「妊婦なのに目をそらして携帯を見ている」だとか、「松葉杖をついているのに寝たフリされた」とかでてきます。個人的には、愚痴るんだったら「譲ってください」って言えばいいのにって思います。

 

でも、「譲ってもらえるんじゃないか」と期待している人からすれば、裏切られた気分になるんでしょうね。譲られたい人を無視してまで座りたい理由があったのかな……。

 

なんか優先席があることによって、こじれてる気がします。親切っていうのは、本当ならどの席か、なんて関係ないはずなんですけどね。

 

余裕がなくて親切をできない現代人

「日本人は和を大切にし、思いやりをもっている」ってどこいったんでしょうね?

 

わたしもそうだけど、譲らない人は余裕がないんですよ。仕事で疲れきってたり、見ないフリをしておけばいい、とかって考えてる。余裕なさすぎです。

 

席を譲ってほしいなら、丁寧にお願いすればいいんです。譲ってもらえて当然っていうのは傲慢ですよね。相手だって座りたい理由があるかもしれない、っていう思いやれる余裕があればいいのに。

 

心に余裕があれば、快く譲って快く譲られるだろうし、丁寧に断ってそれを理解できるでしょう。余裕がなければないほど、心が狭くなっていきますからね。疲れきって爆睡してるサラリーマンは譲りたくないでしょうしね。

 

比べてもしょうがないけど、昔はご近所さんに調味料とか借りに行ってたわけで、「おたがいさま」っていう気持ちがあったんでしょう。でもいまは、自分のことで精一杯だから、人に親切ができないし、親切を受け取れない。なんだかさみしいですね。

 

もしいま自分に席を譲るほどの余裕がないのであれば、それは生活や仕事スタイルを見直したほうがよさそうです。やっぱり人に親切にされるとうれしいし、親切にしたいものですからね。