日本は便利です。日曜日もスーパーが開いてるし、お盆やお正月も百貨店が開いています。ですが最近になって、「年末年始くらいは休もう」「お盆は店を閉める」といったように、定期的な休みをとるお店が復活してきました。
働き方改革が進む日本で、年中無休営業が「時代遅れ」になる日はくるのでしょうか。
年中無休営業はむしろ「時代遅れ」な現代
日本はコンビニを代表として、年中無休、深夜営業をしているお店が多いですよね。だから日曜日にも買い物ができるし、飲み会帰り牛丼を食べれるし、深夜お腹が空いても食べ物を帰る。便利です。
でもその「便利」は、いまとなっては逆に「時代遅れ」です。
1970年代、コンビニ黎明期。当時は個人商店は夜8時か9時に店を閉め、休みの日は商店街全体が閉まっているのがふつうでした。(参考:最初から24時間営業でしたか? | セブン-イレブンよくあるお問い合わせ)
お盆や年末年始は、商店街のシャッターが閉まり、みんな実家に帰省していました。
だからこそ24時間、営業年中無休営業のコンビニは、「画期的」で「便利」だったでしょう。
80年代半ばになれば、日本はバブル景気に湧きました。働けばドンドンお金がもらえる時代、24時間年中無休の営業はさぞ喜ばれたでしょう。
でも2010年代もなかばになると、「いつまでやるの?」という雰囲気になってきました。
ワークライフ・バランスとか言われて、「プライベート大事にしよう」って時代になったのに、まだ24時間年中無休で営業してるの?ってな感じです。
年中無休のお店は本当に必要?
当然のことながら、年中無休にすると「みんな一斉の休み」がとれなくなります。サービス業をやっていれば特にそれが顕著で、土日や祝日、連休が搔き入れ時なので休めません。
仕事の拘束時間が長い日本では、わたしが住んでいるドイツのように「20時に店をすべて閉める」「日曜祝日は完全に休み」はむずかしいでしょう。そうしたら生活に支障が出る人が出てきそうです。
でも駅前のコンビニがひとつ、ふたつくらい開いてればいいんじゃないですか。そんなどこもかしこも開店し続けなくたって、そこまで不便にはならないはずです。
というより、不便なんて慣れれば不便じゃなくなります。年に数日店が閉まったところで困りません。
年中無休の仕事の弊害
24時間年中無休の仕事として挙げられるのが、まずコンビニとスーパー。あとは24時間営業ではないものの、年中無休で開店している飲食店や百貨店。
コンビニはたしかに便利だけど、ぶっちゃけコンビニが開いてればスーパーが24時間年中無休で営業する必要はないですよね。逆でも言えますけど。
百貨店だって、お盆一週間休んだってそんなに困りません。昔はそうだったし。
ライフライン系の水道ガス電気、病院や警察などはたしかに常に稼働している必要があります。でもサービス業って明らかに、「便利」を追求しすぎてません?
家具屋で働いていたときは、お店は年中無休でした。土日はもちろん休めません。
子どもがいる家庭は、子どもと休みの日が完全に逆転します。学校行事も参加できません。
「みんなが休みの日だからこそ稼げる」のがサービス業ですが、じゃあその人たちの休みはどこにいくの?
平日休みが悪いってわけじゃないけど、みんな一斉に休める日がなかったら、家族の時間を過ごしたり、親戚みんなで集合したりってムリですよね。
小学生のときはお父さんが1週間お盆休みがあって、親戚一家と予定を合わせて山口県の実家に帰省していました。でも中学校に上がって部活に入るとそうもいかなくなって、帰省できなくなりました。
バイトする年齢になると、お父さんが休みの日は、サービス業で働いているわたしや母が仕事。家族の時間は自然ととれなくなります。
もっと「国が休む日」があっていいんじゃないでしょうか。キリスト教国家の安息日みたいに。
年中無休やめてみんなで一緒に休もうよ
「日曜日お店やスーパーが全部閉まったら買い物はどうするの?」「連休中にお店がやってないと、なにをすればいいの?」と言う人もいるでしょう。
そうしたら買いだめして、家族や友達とのんびり過ごすんですよ。趣味に時間を使ったり。むしろ、それくらいしかできません。
でも、それこそがいまの日本人にとって大切なんじゃないでしょうか。
わたしは居酒屋で働いていたとき、「大晦日から1月3日までに2日出勤」と言われたり、家具屋では「GW中休んでいいのは1日」だとかってお触れがでました。
お正月やGWは、家族や友人と過ごせる大切な時間です。それなのに、年中無休のお店でバイトをしてるから働かなきゃいけません。どんどん「みんなで休める日」が減っていきます。
年中無休で働くことって、そんなに大事ですか?
年中無休は別に求められていなかった?
Yahoo! の意識調査で、「年中無休のスーパーや百貨店、どう思う?」というアンケートがありました。
年中無休のスーパーや百貨店、どう思う? - Yahoo!ニュース 意識調査
みんな「年中無休の方がいい!」と考えてるのかと思いきや、約7割の12万票が「休業日を増やした方がいい」を支持しています。
じゃあ年中無休の営業をやめればいいんじゃないの?
コメント欄の一部を抜粋します。まずは「年中無休営業をなくした方がいい」派。
・休業日や営業時間を減らしても、問題ないと思います。全部のサービス業で実施すれば、売り上げは変わらないのではないかと、労働者にも余裕がでてよいと思います。 年中無休はお客の立場からはありがたいが、下請け会社や従業員にそのしわ寄せが行くのです。過労死や労働災害など労働者が苦しむ結果となる
・何のために休日や祝日があるのか、もう一度考えた方がいいと思う。
多くの場合、「不便になるかもしれないけど、ちゃんと休んだ方がいい」という考えでした。
対して、「年中無休をやめると困る」派。
・うちの近くにも、年中無休で24時間営業のスーパーがある。とても便利で重宝している。
・「年末年始やGWなどは時給(や出勤手当て)が高くなるから好んでシフトをいれる」という知人が結構いたのと、自分自身不規則な勤務時間なので年中無休・24時間営業はとても助かっているため「このままでいい」にしました。
とまぁ予想通りですね。
「便利だからこのままでいい」と言う人と、「不便になってもいいから休むべき」と言う人。
わたしが言いたいこととまったく同じコメントがあったので、引用します。
そうやって、日本中が休まない、イヤ、休めなくなって、長時間労働やサービス残業など、ブラック化の循環が出来上がる。
そう、これ。これなんですよ。
いやね、たしかに店が開いてりゃ便利ですよ。でもスーパーが開いてたらレジの人や管理者は働かなきゃいけないでしょ。そしたらほかの競合店も休めないでしょ。
で、「じゃあうちも」って休めなくなる。同調圧力ですよ。
コメントを見る限り、「そこまで年中無休にこだわる必要はない」「多少不便になっても別にいい」「正直たいして困らない」って意見がかなり多いんです。
だったらもう年中無休営業にこだわらず、休めばいいじゃん。
月に1回でもいいから、飲食店からスーパー、百貨店とか全部閉めようよ。家族とか友達とのんびりしようよ。
と思うわけです。
年中無休営業をやめて堂々と休める日を設けるべき
たしかに、24時間年中無休営業してる店があれば、便利です。でも便利を追求し続けたら、みんなで休める日がなくなります。
もう働いたらお金もらえる時代じゃないんだから、堂々と休もうよ~!って思います。そしたら家族とか友達との時間がとれますから。
現代人に必要なのって、そういう余裕だと思うんですよ。
月に1回でいいから、国を休ませる日ってあってもいいと思います。
24時間年中無休は一周回ってもはや時代遅れ。もっと堂々休める社会に!
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