「Übung macht den Meister」が教えてくれる、努力を笑わない社会の大切さ

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8月27日(日)10時~11時15分放送の『ワイドナショー』で、わたしの記事が紹介される予定です。出演者は松本人志さん、東野幸治さんなど。
紹介される記事→『化粧をしないことは、本当に「マナー違反」なんだろうか

 

練習することで人は成長していく

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日本人はあまり日常生活でことわざを使わない気がするんですが、ドイツ人は結構ひんぱんに「Übung macht den Meister」という言葉を使います。

 

Übung=訓練、練習、演習
macht=する、つくる(英語のmake的な意味)
Meister=マイスター、名人、達人

 

という意味です。直訳すれば、「練習が達人をつくる」。「練習することによって人は達人になっていく」「たくさん修練を重ねる人だけが達人になれる」という意味です。

 

日本語では「継続は力なり」と訳されますが、ちょっとニュアンスがちがう気がします。

「継続は力なり」は同じことをし続ければ精度が上がっていく!って感じで、「Übung macht den Meister」は練習していけば一流になれる!ってイメージ。逆に言えば「練習しなければなににもならない」ということですね。

 

わたしはこの言葉が大好きで、これを言われるたびに「まだまだダメな自分」を肯定してもらっている気になるんです。

 

最初はみんなド素人から

なにかを始めるとき、みんな最初はド素人です。いまどんなに詳しい専門家であっても最初は知識ゼロの状態からはじまったはずだし、剣道の達人だって礼儀作法を覚えることがスタートだったはずです。

 

当然のことではあるんですけど、まわりに出来る人がたくさんいると、ド素人である自分が恥ずかしい!と思ってしまったりするんですよね。

 

ドイツに留学したばかりのとき、わたしはまったくドイツ語が話せませんでした。「今日はいい天気ですね」「そうですね」くらいの会話しかできなかったんです。

でもまわりにはネイティブの人ばかりだし、先輩の留学生たちはふつうにドイツ語で会話していたりして、「ドイツ語を話すのが恥ずかしい」と話すのをためらっていました。

 

「できるようになるまで人には見せたくない」「未熟な自分はみんなよりダメなんだ」っていう気持ちは、たぶん多くの人が一度は感じたことがあるでしょう。

 

だれだって最初は何もできない

「ドイツ語がすごく下手なの。何度も繰り返させてごめん」 とカタコトで言ったとき、「Übung macht den Meister」と言われました。

「やっぱりドイツ語全然わかんない。日本語で話してよ」と言ったときも、「Übung macht den Meister」と言われました。

 

 

これ「職人」って書いちゃってるんですけど、職人ではなく「達人」ですね……。ミスりました。


ドイツでは、本当によくこのことわざを使います。職人の国ならでは!って感じ。 

というわけでもうひとつ、わたしが嬉しかった出来事を紹介しておきます。

 

カフェでバイトしてたとき、同僚がみんな病気になって、ほとんどやったことのないレジを任されたことがありました。

レジには長蛇の列、店にはドイツ語が話せない洗い場のおじさん&我関せずのキッチンの新人バイトのみ。どうしたらいいかわからずパニックのわたし。

 

とあるオジサンが、「おいおい料理冷めちまうよ」と大声で言いました。いや本当にその通りなので、半泣きで謝るしかありませんでした。

 

でもそこで、ほかのお客さんたちが「この子はがんばってるじゃない!」とそのオジサンに反論してくれたんです。

しかも、レジで「Übung macht den Meister」と声をかけてくれて、「災難だったわね」「できるようになるわよ」って言ってくれたんです。何人も。

 

待たせてるのは事実だし本当に申し訳なかったんだけど、そう言ってくれる人がたくさんいたことに感動しました。

 

 

 

失敗を許さない人のせいで、成長する人がいなくなる

ドイツ語が下手すぎて毎日落ち込んでいたわたしに、「こんなドイツ語もわからないの?」とため息をついたり、「発音がメチャクチャだよ」って笑う人がいたら、わたしは失敗が怖くなってドイツ語を話すことをやめたと思います。

 

そういったことをバネにやる気をみなぎらせる人もいるだろうけど、わたしはそういうタイプじゃないので……。

 

 

日本は「努力は影でするもの」っていうイメージがあるから、努力してから人前に出るべき、人に迷惑をかけないようにって思っちゃうのかもしれません。

「そんなレベルで恥ずかしくないの?」とか、「この程度でよく公開できたね」みたいなコメントも結構見かけますし。

 

でもそういう意識を持っていると、「完璧になってから実行しよう」思考になっちゃいますよね。

語学はもちろん、スポーツや楽器、写真、ブログやyoutubeでもなんでもそうだけど、練習して失敗して積み重ねないことにはうまくならないものばかりです。

 

「完璧になってから」なんて言ってたら、死ぬまでなにもできません。わたしのブログだって、最初の方の記事は、見るだけで吐きそうになるくらいひどいものです。

それでも記事を公開してきて、いまに至るわけです。

 

つまり、成長には失敗がつきもので、最初はだれだって下手クソなんだから、それをまわりが理解していないとだれも挑戦できなくなるんじゃないのって話です。

 

努力を笑わない社会が人を強くする

未熟な人を笑うんじゃなくて「応援してるよ」、全然できてない人に「できるようになるよ」って言う人が増えれば、もっと堂々と練習を重ねて成長しやすい環境になると思うんですよね。

だれだって最初は下手クソのド素人なわけですから。

 

まだ下手だからやめておこう、じゃなくて「まだ下手だから練習しよう」。失敗するから挑戦はしない、じゃなくて「失敗してもいいから挑戦をする」。

一生懸命な人に対し、まわりが温かく見守って、できることならちょっと手助けなんかができると、優しい世界になりますよね。

 

というわけで、わたしもそういう人間でありたいと思います!

あと、明日放送の『ワイドナショー』見てね!

 

「教科書に載っていない日常ドイツ語フレーズを紹介」をコンセプトに動画も配信しています。来週からはもうちょっとテンポよく話しますので、こちらもよろしくどーぞ(σ・∀・)σ<宣伝

 
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